【山記録】
日時天候 2007年06月17日(日)曇り
山名標高 三人山()・東雨乞岳(1,226.0m)・七人山()・
山域 鈴鹿
コースタイム
茨谷登山口(08:20)〜一服峠・郡界尾根(08:42-50)〜沢谷峠(09:05)〜三人山(09:55-10:40)〜人寄りのコバ(11:00-40)〜東雨乞岳(12:10-20)〜七人山(12:40-13:00)〜郡界尾根出会(13:25)〜沢谷峠(13:45)〜一服峠(14:10-20))〜茨谷登山口(14:50)
総タイム6時間30分(休憩90分程度含む))
距離/累積高度差
人数等 iygsuzuka17名 イイナノコバ(三人山)

【軌跡ログ

【足跡】
<前書き>
 郡界尾根へ初めて来たのは、今から20年ほど前(昭和の終わり)のこと。先輩(故人)に連れて来てもらった。当時は、沢谷乗り越し(現沢谷峠)から入ったが踏み跡もなく沢谷峠付近に来ると笹が深くて苦労した記憶がある。
 今は、踏み跡もしっかりテープも巻かれ迷うことなく来られるので喜ぶべきことなのだろうが、その頃に比べ面白みや感激度が違うのは仕方がない。
 今回は、郡会尾根から「イイナのコバ」と「人よりのコバ」へと立ち寄る計画なので興味深々である。

<登山口に雨量計が設置された> 
 早朝の武平峠は、霧に覆われ遠目のランプを点燈しても対向車が見にくい。
 トンネルを抜け滋賀県側へ少し下ったところの駐車場へ入る。
 登山の支度を整え8時過ぎ駐車場を出発する。車道を歩いて大きく道が左へカーブしたところが登山口である。最近、雨量計が設置されたので分かり良い。
 最近、この場所に雨量計(右下)が設置されスカイラインガードレールにも「沢谷峠登山口」と書かれていたので、入口が分かりやすくなった。
 入口の小さな沢を渡り植林の中に入る。
 暗い山腹に付けられた道を行くと小尾根に出る。指標に従い右の道をとり、急坂をジグザグに上がると郡界尾根に取り付く。

<郡会尾根を行く>
 以前は「いっぷく峠」という標識があったが今はなし。ここを左に10分ほどで沢谷峠に着く。晴れていれば鎌ケ岳が見えるのだが、残念ながら今日はガスの中で通りすぎる。

 右側は、二次林の森である。耳を澄ますと「カッコウ」と鳴いているでわないか。
 何とも耳に涼しげな音色だ。落ち葉が堆積した道からシャクナゲの多い尾根を過ぎると前にP967の岩壁。回り込みながら上に出ると「三重・津・山ねずみ」のプレートがある。
 ポイント標識なので地図を確認すが。間違いなし。このピークを過ぎ鞍部を越えていくと森の雰囲気が変わってくる。

<イイナノコバと事故>
 イイナノコバが見えてきた。
 右に小さな谷が沿う。左は、三人山(別名山人山)へ緩いスロープの斜面で、明るいのびやかなブナの森が広がる。下草は、雪と風で育たないのだろうか、枯葉と低い笹にすっぽり包まれている。絨毯を敷き詰めたように美しい。写真よりむしろ絵にした方が表現できるように思う。
 この美しい森の魔力に引きこまれたのか。突然、アクシデントが発生した。
 三人山(1014m)北斜面で、山仲間の中年男性Inaさんが突然膝を痛めその場に座り込む。Inaさんはがっちりとた体格で足腰も強そうな山男である。緩い坂で障害物なし。何故こんなところでと思うような場所で起った。
 20分ほど休んで様子を見たが、痛みはとれず歩行困難。
 本人は「ポキンと鈍い音がした」という話から、靭帯を損傷した可能性が大なので下山の体制をとる。応急処置として、杖2本でテープやタオルを巻いて簡易的な松葉杖を造る。
 近江の名岳人、要領の良さに感心させれる。今後の参考となった。
 リュックは、ペアで来ているIさんが持つ。七人山のコルに出て一般道(クラ谷)を歩くことになった。
 もし、これが単独の山行なら後から来る人を待つしかないだろう。そう思うと何と怖いことか。
 Inaさんをサポートする隊と、別隊に分かれ出発する。

<人よりのコバ>
 三人山の北を下り鞍部に出る。
 尾根芯は、東雨乞岳への直登である。
 右の山腹を巻き谷を回り込み上部に出ると「人寄りのコバ」に着く。
 東雨乞岳東、200メートル下にブナの大地。明るくのびやかな緑の台地は美しい。
 だが、虫には要注意である。
 ビニールを敷き座ると蛭が靴の中にいたという声が聞こえたので、慌てて靴の中を点検するが被害はなし。だが、食事中、首辺りが痒いので手をあてたら小さな蛭が手のひらに乗っていたので、慌て振り払う。上から(ブナの木)落ちてきたのだ。

<東雨乞岳>
 昼食後、有志数名で東雨乞岳を登ることになった。
 「人寄りのコバ」から山頂まで標高差約200メートル笹原のきつい勾配を直登する。
 100メートル位までは、膝辺りの高さで登りやすかったが、その先は背の高さと同じくらいの笹が密生していた。
 七人山の全体が見える岩のところで、写真を撮っていたら周りに人はもう誰もいない。
 これから笹との格闘が始まる。僅かな距離なのだが、右に左に振るも頂上は見えず同じような景観にてこずる。
 もう、強引に行くしかないと思い角度を決め、笹を掻き分ける。頭・ザック・衣類は、笹でかきむしられたが、10分ほどもがくと本道に出た。
 山頂に着いたら、Mさんが「高いところで暫く待っていた」との話を聞く。。
 「目標物がないので間違ったら出られないところでした。初めてなら遭難です」と、有難うをいう。
 東雨乞岳からは360度の展望であるが、三重県側の鎌・御在所や藤原・御池は雲で見えない。イブネ・クラシは、どっしりと構えている。ハゲているところが、愛嬌があり楽しい。
 雨乞岳から清水の頭までの山容は立派だ。千メートル級の山とは思えない何かを感ずる。
 28mmのバカチョン・デジカメでは、南雨乞岳までが精一杯。リコーのワイドならいけるだろう。
 10分ほど展望を楽しんで、本道へ下山する。
 下から来た数人とすれ違う。久しぶりに溝の深い道を歩いた。下りは、頭注意である。警戒していても、またやったと悲鳴があがる。コクイ谷分岐から、七人山に向かう。

<七人山>
 七人山は、豊かなブナの森である。
 まだこういう所が残っているとは、嬉しくなる。笹と戦った雨乞とは違い、ルンルンで歩ける。四季の彩りで変化す森は、いつ歩いても新鮮で楽しい。今日は、新しいブナの生命の誕生を見た。

【登山口8時30分出発。この場所に新しく雨量計が設置されていた】
 茨谷口。
 最近、この場所に雨量計が設置されスカイラインガードレールにも「沢谷峠登山口」と書かれていたので、入口が分かりやすくなった。


左、スカイラインガードレールの部分を拡大する。

【20分で郡界尾根に乗る。沢谷峠はガスで鎌ケ岳などは見えず】

 9時過ぎ沢谷峠通過する。鎌や御在所は、ガスの中ーーー残念。
左、郡界尾根に乗る。
右、沢谷峠手前。

【セラビーな森イイナイイナのコバ】
 鈴鹿の中で最も気に入っているのが、「岳人の集うところ」「イイナイイナのコバ」である。  右側に小さなが沿う。左は、三人山へ緩いスロープの斜面で、明るいブナの森が広がる。
 下草は、雪と風で育たないのだろうか、下草がとても美しい。ギンリョウソウを見つけた。

【三人山で突然のアクシデント発生】
中年男性(inazu)さんが突然膝に激痛がはしり歩行困難となる

 急拵えの松葉杖で何とか歩く。リュクは体力のある人に預ける。

左、三人山。山頂はこの標識あるのみ。
別名「山人山ともいう。

【人寄りのコバ】
 東雨乞岳東、200メートル下にブナの大地。
ここを「人よりのコバ」という
明るくのびやかな緑の台地は美しい。
命名者は、リーダのiさん(東近江市)と聞く。
 食事中、首辺りが痒いので手をあてたら小さな蛭が手のひらに乗っていたので、慌て振り払う。あちらこちらでも蛭の被害がーー。

【東雨乞岳】

左、東雨乞岳山頂。背景は、雨乞岳。
右、東方向に七人山
左、
北東方向イブネクラシ。

【七人山】
 七人山は、豊かなブナの森である。
 まだこういう所が残っているとは、嬉しくなる。
 笹と戦った雨乞とは違い、ルンルンで歩ける。
 四季の彩りで変化す森は、いつ歩いても新鮮で楽しい。
 今日は、新しいブナの生命の誕生を見た。

【下山は、クラ谷を下る】

左、中流部は、水量が多く流れていた。
右、クラ谷源流部は、樹林が美しい。