【山記録】
日時天候 2006年03月05日(日)快晴
山名標高 清水の頭(1171m)・雨乞岳(1238m)
山域 鈴鹿
コースタイム
清水平谷林道(8:55)〜P835(9:45-10:00)〜清水頭(10:50-1
1:00)〜南雨乞岳(12:20)〜雨乞岳(11:50-13:00)〜シャクナゲ尾根〜清水平谷林道(15:10)
総タイム 6時間15分
距離/累積高度差
人数等 iygsuzuka27人

足跡】
<初めに>
 昨年3月「清水頭〜南雨乞岳〜雨乞岳〜南尾根」を歩いた時は、残雪が多く鈴鹿の盟主たる御在所山や鎌ケ岳の真っ白な山肌が間近に見えるど迫力に腰を抜かさんばかりであった。
 今年も同時期に雨乞岳へ登ったが、前年より雪解けが早く残雪が溶け雪は消えかかっていた。だが、一日中青い空が広がる快晴で大展望に酔いしれた。
 雪の雨乞岳は、今回が2度目である。
 一度、グループで登った後、単独でも試みた。地図で歩く鈴鹿の山100選(西内正弘著)NO91のガイドを参考に入山したが、記憶も曖昧で枝道を走って登山口まで辿れなかった。

<登山口へ向かう林道は悪路>      
 大河原の国民宿舎「かもしか荘」が集合地である。
 午前7時過ぎ、国道1号線鈴鹿トンネルを抜け猪鼻から入る。
 鈴鹿スカイライン(国道411号)を東へ、野州川ダムの奥にある深山橋で左折すると林道口に着。入口には、通行止めのゲートが下りていた。
 鍵が、かかっていなかったので、ゲートを開け林道に入る。林道は、舗装をされた形跡はあるが補修されていないので悪路である。雪のある時期は四駆でないと走れないだろう。
 清水平谷林道の登山口まではかなり長い。最初は左に曲がる。次は橋を渡り右へ。次の分岐が間違いやすい。白倉谷が直進。清水平谷は、右へ曲がる。「左・右・右」と覚えれば分かり良い。
 清水平谷分岐から約1キロほど行った少し広くなった坂道へ車を停める。
 ここが清水谷林道広場という。
 岩がゴツゴツし腰の低い車は車のUターンも厳しい。広場とは?である。(この先、舗装のある林道が続くが落石で通行不可)広場の西の檜林の中に入ると、踏み跡がある。ここが登山口である。林道から山道は見えないので分かりづらい。

<清水の頭へ>
 左の檜林に入り急斜面を右斜めに登ると、雑木に変り支尾根に出た。
 更に急斜面を登ると鹿よけネットが現れる。ネット沿いに急な植林の尾根を登る。
 傾斜が緩くなるとP835地点。ここは平たい台地に付き休憩に良い。
 尾根を右方向に進む。左斜面は雑木。右斜面は明るい植林に変る。後方に雪の綿向山が顔を出す。急な斜面を登り詰めると、前方が明るくなり残雪の広い斜面となり景色が劇的に変る。
 この先は、せっぴも見られる広い尾根歩きとなる。前回はカンジキで歩いたが、今回は雪が締まっていたのでアイゼンを付ける。清水頭の前衛となるコブを目ざしながら前進する。後方に綿向山、右に鎌尾根を見ながら歩く斜面が緩くなると清水の頭に出る。

<雨乞岳へ>
 清水の頭を過ぎると、尾根が緩やかに起伏し雪原にでもいるような錯覚さえする。
 風が強くあたる所なので樹氷も張り付き海老の尻尾も見事だ。背景の綿向山が実に美しい。
 これから登る雨乞岳の山頂も手に届きそうダイナミックな景観で、山岳写真のアングルに最適な場所ともいえる。
 尾根を東へ向かい、急斜面を直登する。登りきったピークが南雨乞岳である。
 鎌ケ岳のテッペンから谷底まで見えた。こりゃ凄いしびれる。
 昨年は上から下まで白かったが、黒い岩肌も見え荒々しい。やっぱり白いほうが素敵だ。
 正面には鎌尾根から仙ケ岳へと三重県境の山並みが目の前に連なる。
 御在所岳の左には東雨乞岳が、直ぐ目の前には雨乞岳が迫る。
 南雨乞岳から雨乞岳のササが雪の下で埋もれ、(雪山ならでは特権)広々としたゲレンデを歩いて雨乞岳に到着。山頂は、風もなく温かいポカポ陽気で澄み切った青空のもと昼食・散策にと1時間以上を過ごした。
 昼食後、西雨乞岳の途中まで行ってみることにした。途中の林の切れ目から北方面の眺めが抜群に良い。白い山並みは三池岳・竜ケ岳・静ケ岳・藤原岳・御池岳へと続く。目の前にイブネ・クラシのピークからフナクボ・銚子ケ口へ至る尾根がうなる。遠くに伊吹山や霊仙山が白いドームのように浮かぶ。これほど美しい山を見たのも久しぶりである。呆然と立ち尽くしていた。

<下山はシャクナゲ尾根>
 下山路は、南雨乞岳へ戻り南尾根に入る。これから200メートルくらい先にある(歩いて5〜6分程度)、P903を通る尾根(通称シャクナゲ尾根)を下る。この分岐は分かりにくい。目印はないが、尾根が少し広くなったところの右側に降り口がある。南尾根をそのまま下ると大納言谷の方へ行ってしまうので要注意である。

<身の丈にあった雪山>
 今までは、展望や花を楽しみに山へ登ったのだが、雪の雨乞岳へ登ってから山登りの考えが少し変った。主は、雪山。従は、写真・展望・樹氷・花の順となった。
 雪山へ登るには、アイゼン・カンジキ・スノシュウ・ピッケル・スコップ・杖など準備し、それにラッセル、荒れた天候も予想しなければならない、基礎体力と技術力を考えると厳しいというより無理。
 雪山を本格的に歩くことはないだろうが、自分の身の丈にあった雪山に挑戦して行きたい。
 それには複数で登るしかないだろう。

【登山口と清水平谷】
左、清水平谷。右の尾根を降りた。
右、登山口と駐車地。

【清水平谷】
水平谷。
右、大納言谷へ降りていく尾根?とするとP633からP743へ行く辺りか。

【P835で休憩】

P835へ来ると左は明るい雑木林、右は植林となる。
右の写真の方向に向かって歩く

【P900付近に来ると景観が一変する】

右、残雪が多いのでアイゼンをつける。
背後に綿向山が美しい。

【右に鎌尾根を見て清水の頭へ向かう】

鎌尾根(右)と背後に綿向山をみながら清水の頭へと登っていく。後ろを振り返るとダムサイトの水源(下の写真)が見えた。

【清水の頭近辺から見た登山路】
 登ってきた道の先に野洲川ダム湖が見える。

【清水の頭】
上、
樹氷が張り付く。 

左、
快晴で霊仙山辺りも美しい。

下、
南の方向に鎌ケ岳の鋭鋒が近くに見える。

【清水の頭から南雨乞岳へ】
 清水の頭を過ぎると、尾根が緩やかに起伏し雪原にでもいるような錯覚さえする。
 風が強くあたる所なので樹氷も張り付き海老の尻尾も見事だ。

南雨乞岳
上、
南雨乞岳から御在所岳。

左、
御在所岳と鎌ケ岳。

下、
東雨乞岳と御在所岳。

【西雨乞岳途中から北方の山】
 西雨乞岳へ向かう途中、林の切れ目から北方面の眺めが抜群に良い。
 白い山並みは三池岳・竜ケ岳・静ケ岳・藤原岳・御池岳へと続く。目の前にイブネ・クラシのピークからフナクボ・銚子ケ口へ至る尾根がうなる。
 遠くに伊吹山や霊仙山が白いドームのように浮かぶ美しい。

【下山は、シャクナゲ尾根】
 中間部からシャクナゲが群生した尾根を下る。枝が四方八方に張出し歩きにくい。