【山記録】
日時天候 2006年07月15日(土)
山名標高 宮指路山(946m)
山域 鈴鹿
コースタイム
大石橋(09:30)〜登山口(09:50)〜ヤケ木谷(11:15-25)〜分岐(11:40)〜東海展望(11:55-12:15)〜宮指路岳(12:30-40)〜馬乗り場(13:00-13:20)〜小岐須峠(13:25)〜ヤケ木谷合流(14:30-35)〜大石橋(15:10)
総タイム5時間40分(休憩タイム90分程度含む)
距離/累積高度差
人数等 Oリーダほか12名 東海展望台から野登山

【軌跡ログ】

足跡
<前書き> 
 宮指路岳は、標高と同じクシロ946mを現している。
 3年前、野登山に登り南方向から宮指路岳を見た。
 「緑に包まれたドームに花崗岩の白色を散りばめ、東峰に三体物と小岐源岩」は独得の形とボリュウム感のある雄大な眺めで、何時かこの山に登ろうという気にさせられた。
 「鈴鹿の山と谷」によると宮指路岳の名称は、長いあいだ山名がなく新しく造られたもので、猿田彦神話の「句城、句代、櫛路、是白」から発展的解釈として宮指路となった。
 地元では、毛頂(けちょう)ヤケギの山と呼ぶらしい。
 毛頂は山頂が裸山で草原状の意。
 ヤケギはヤケギ谷(焼木)か不明で、宮指路の名は通用しないと記されていた。

<ヒル銀座>
 宮指路岳へ登る数日前、リーダのI先生(鈴鹿市在住)から案内のハガキを貰った。
 ハガキには、添え書きがある。「近年鈴鹿山系では蛭がどんどん増えているように思います。特にヤケギ谷のコースは枯れ葉が厚く積もった道なので、気象状況によっては、ヒル銀座と呼んでも良いくらい多くいるのでヒル対策には万全を期してください」との内容である。

 鈴鹿の"ヒル銀座"と聞いて「やめたい」気分になったが、引き下がるのも悔しいし、この山から仙ケ岳や野登岳方面を見たかったので参加することにした。 さて、ヒル対策と云われても何をして良いのか分からないが、取あえず自分なりに工夫してみた。

<ヒル対策.>
@登山開始2時間前、ヤマビルファイターを「スパッツと登山靴の表と底」に吹っかける。スパッツと登山靴に液を充分沁み込ませ十分乾かしてから着用す。(後に、これが効果覿面であった)
Aシャツは、暑くても長袖を着用す。
B帽子は、首筋まで日除けの付いた野球帽を被る。

 椿大社に集合し、小岐須渓に向かう。キヤンプ場を過ぎると道は、狭くなり木の枝が垂れ見通しも悪い対向もできないバックもできない危険地帯に入る。前から車が来ないことを祈りながら前進する。キャンプ場から10分ほどで大石橋に到着。その少し先の広場(小型車なら7〜8台駐車可能)へ停める。
 私は、椿大社でゆっくり時間をかけ上記の対策を行ったが、多くの参加者は、駐車してからエァ・スプレーを靴やスパッツに振りかけている。15分ほどで準備OK。駐車場を9時30分出発。林道を少しバックする5分も歩くと標識番号1と書かれた登山口に到着。

<焼木谷>
 10分も行くと分岐である。左のヤケ木谷道(焼木谷)を行く。
 右は小岐須峠へ行く道(カワラコバ)で帰りの下山路となる。登山口から数百メートル位歩く度にヒルのチェックをする。「いたいた」との声があちこちから聞こえる。長靴の人は、くっ付き易いのか次々と上がって来る。今日は湿気も少ないように思ったが、関係なし。山頂近くまでヒル点検を怠らなかった。
 分岐から間もなく炭焼き窯の跡を見ながらジグザグにヤケ木谷左岸を登っていくと、滑滝が二つある左の谷をまたぎ尾根のような道を横移動するとまた谷が現れるので変化があり面白い。
 複雑な地形で地図読みもさっぱり分からずじまいで、道なりに進む。道はしっかり付いているので迷うことはない。幾本も支谷を渡って左へトラバース気味に登っていくと尾根の急登が始まり東峰へと伸びている。
 ヤケギ谷、この山のどこかで山火事があってこの名が付いたと山仲間から聞く。
 もっと夢のある名前に替えて欲しいものだ。秋は素晴らしい紅葉と清流が見られるだろう。

<東海展望>
 登り詰めて行くとやっと明るい青空が見え南側に花崗岩の重なった大岩が突き出しているところに着く。「東海展望」という標識がたつ。
 ここまで1時間30分ヒルの恐怖からやっと解放される。大岩の手前でリュックを置いて指定席の岩上に立つ。全く遮るものない大展望が広がる。
 野登山、仙ケ岳、鎌ケ岳、御在所岳、雨乞岳などが見える。特に、双子峰の仙ケ岳は大きくて格好良い。鮮やかな緑も素敵だ。だが、団体で来る辛さーー次の人と交替です。

 東峰は、昼食の都合で足早に歩いて素通り、これまた残念である。三体仏(チャツボ岩)犬帰りの険のすさまじい光景を、じっくりと見ることができなかった。
 本峰の宮指路岳は、東海展望から15分ほどで到着。山頂部は笹原の平坦である。標識名の下に三角点もあったが山頂部は、稜線の一部としか見えない平凡なところだった。
 少し北へ進むと馬乗り場のある小コバに出る。西側は、切れ涼しい風が吹き上げてくるので休憩には絶好の場所。陽射しを避け樹林帯の中で昼食をとる。
 
 全員が靴を脱いでヒルの点検を行う。何度も点検をしながらここまで来たのに、殆どの人が靴底や靴下の中からヒルを発見する。スパツを脱いだらズボンが真っ赤に染まり大怪我でもしたかのような女性もいた。私は、人より早くヤマビルファイターを塗布したお陰か唯一人「被害なし」という結果であった。

<下山>
 下山は、小岐須峠からカワラコバ谷を下りヤケ木谷道分岐に戻る周回コースをとる。
小岐須峠までは、一気に下る。峠の手前で入道ケ岳や鎌ケ岳が見えた。カワラコバ谷は一箇所道が崩れているところがあるが、ロープが張られているので注意してトラバースすれば問題はなし。
 周回コースは、すべて通報ポイントの標識があるので、これらを確認しながら歩くのもまた楽し。

登山口

左、登山口
右、駐車場付近

滑滝

最初の滑滝。右側の谷に取り付く。早くもヒルが襲ってきた

ヤケギ谷とカワラコバ谷の分岐
ケギ谷。
ヒル銀座と云われるだけあって、鬱蒼とした薄くらい道で、上からも下からも襲われそうな気配だ。時折、立ち止まりヒルチェックをする。

変化のある谷道
 谷をまたぎ尾根のような道を横移動するとまた谷が現れるので変化があり面白い谷道です。休憩の度にヒルのチェックです。

通報ポイント6

通過ポイント6。
かなり上の方まで谷の水が流れている。この付近とても雰囲気が良い。

通報ポイント7
通過ポイント7。
ここで谷道と別れて、東峰に伸びる尾根歩きとなる。ここまで来るとヒルも少ないようだ。これから急登となる。

通報ポイント8は分岐
右、通過ポイント8は、
東海展望を経て行く道とショットカット道との分岐。
今日は、東海展望の道を行く。






左、通過ポイント7からの急登。

東海展望

左、野登山。右、東海展望の大岩

東海展望からの眺め
左、
双子峰の美しい仙ケ岳


下、
鎌尾根縦走路

【ヤケギコルを過ぎると宮指路岳

左、宮指路岳山頂。三角点と標識。
右、通過ポイント9辺りの鞍部がヤケギのコルと思われる

重要ポイントの三叉路
仙ケ岳道との分岐。
犬返しの険を経て小社峠を経て仙ケ岳へと続く。キヤンプ場から仙ケ岳は行ったことがあるが、犬返しの険は行った事がない。
犬をも引き返す道。

馬乗り場の小コバ

左、馬乗り岩。
右、西側は切れていて涼しい風が吹き上げる。遠方は、雨乞い岳か
下、入道ケ岳方面。

下山は小岐須峠からカワラコバ谷を下る

左、小岐須峠。
右、カワラコバ谷上部

カワラコバ谷

ワラコバ谷は歩きやすい(左)が、一箇所道が崩れているところあり(右)