【山記録】
日時天候 2006年08月06日(日)快晴
山名標高 伊吹山(1377.3m)
山域 岐阜滋賀県境/日本百名山
コースタイム
三の宮神社・登山口(08:20)~三合目(09:35-55)~七号目(11:00-10)~九号目(11:50)~昼食・花散策(12:00-13:00)~山頂(13:20)~三合目(14:40-50)~ロープウェイ~登山口(15:10)
総タイム6時間50分(休憩ロスタイム120分程度含む)
距離/累積高度差
人数等 単独 伊吹山頂東斜面

【足跡】
<前書き>
 花の百名山でもある伊吹山の魅力は、何といっても高山植物が多いことである。
 今の時期は、シモツケソウの花が一杯咲いて山は真っ赤に染まっているのではないかと思うと、じっとしていられず出かけることにした。
 今年は、梅雨明けが遅れ8月になってやっと高気圧が張り出し夏らしい天候となった。
 伊吹山三合目からは、広い草原のようなところに出て、登るに従い展望が開ける。南向きの登山道は、常にオテントさんが真上にいて隠れることがないので、風のない日は灼熱の地獄に耐えねばならぬ。水筒に氷を入れ昨夜から冷蔵庫で凍らしたスポーツドリンク合わせ2ℓ余にカメラを入れるとリュックは約10キロ強の重さである。60代高齢の自分には持てる力の限界でもある。
 一度は、朝の3時頃出発したいと思いながらも、今年もまた8時過ぎに伊吹町上野へ来た。
 街中に入ると歓迎のチョウチンが吊るしてあり、いつも停めさせて貰う民宿の駐車場は満車である。駐車料金500円1000円と書かれた看板を、横目で見ながら登山口の三宮神社前に来ると警備員が二人いて、ストップがかかる。
 「昨夕から、三合目でイブキミュージックイベントを催しており、若者たちが遠くから集まっているので、付近の駐車場は借り上げている」との話である。
 少し先を行くと学校があり、その前の広場に沢山駐車していたので(付近の人に聞いて)その一角に停めさせてもらうことにした

<登りは灼熱に耐える>
 朝から太陽がギラギラと照りつける絶好の登山日和だが、暑熱対策をしないといけない。外人スタイル(Tシャツ・半ズボン)で歩きたいが、皮膚が弱いのでダメ。 帽子・長袖・長ズボン・サングラスに手ぬぐいを首に巻き駐車地を出発する。
 10分ほどで登山口に到着。汗が早くも流れ落ちて止まらない、一呼吸入れ森林の広い道の中に入る。ゆっくり歩いて30分程でゲレンデの下に出ると標高420メートル一合目の標識が立つ。
  デジカメを取り出しシャッターを押すが動かない。1日前に充電したのだが電池が入りになっていたようだ。予備電池も入っていない大チョンボ。
 暑さのことばかり気にして点検を怠ったようだ悔しい。三合目のホテルの売店で買おうと気を取り直して出発する。

 二合目に来ると上の方からサンバのリズムが伝わってくる。登山道にはカワラナデシコやフウロが咲いているのを横目で見ながらとにかく三号目を目指す。
 上から太陽の直射を受け風もなく灼熱の暑さをよけることは出来ない。傘でもあれば開きたいものだ。帽子の上に白いタオルを当て進む。やっと三合目に着いたら若者たちがゲレンデに一杯いた。海水浴にでも来たような格好をして集まっている。
 一晩踊り過ごしたのか皆さんお疲れのようだ。寝転んでいるものが多い。マイクだけがボリュウム一杯にあげ太鼓の音が腹の底まで響いてくる。
 ホテルの前に来ると、イベント目当ての土産物や食べ物などの出店を開いていたので、そこでカメラの電池を買い、暫く休んでから出発する。若者たちに占領されたゲレンデを縫って登山道に出る。

 四号目付近リフト終点の下は日陰がありここで休む。
 ホテルの前で買ったドリンクは直ぐなくなった。この先は、背の低い木の中を行く。五合目に着くと休憩小屋があり、中に入ると5~6人いて氷が大繁盛である。誘惑にかられたが上りにつき我慢をする。いよいよ頂上までは、青天上で暑さとの闘いが始まる。
 七号目。
 パンなどを食べ炭水化物を補給する。これから先は急登である。歩幅を狭めマイペースで歩くが、リュツクの重みがじわじわとボディプロウとなって効いてくる。
 前を歩いていた中高年三人さんは、花の撮影に来ているのか高級カメラと交換レンズ三脚を持って重そうだ。自分は、登山道付近で見つけたものしか撮らないが、この人たちは、花にこだわり撮影場所が違うようだ。間もなく、登山道を外れ草原の中に入っていった。立ち入り禁止の看板のあるところだが、彼らは伊吹の山を知り尽くしているのか自由に歩けるようだ。
 
 八合目に来て行動食と水を補給する。
 数人が休憩しているが、外れの岩に腰掛ける。50代の男性が隣に座り話をする。
 どうやら自分より早いペースで来たようだ。コンビニで売っているポリ用2リットルの水を冷凍し、白いポリエチレンの包みで巻いてリュックに入れて来たとのこと。少し分けてもらったが、とても冷たく美味しい。水筒より軽くて汗もかかないと教えてもらった。水が軽いこと何よりも優先したい。

<九合目から先は観光客>
 九合目付近に来ると稜線に人が沢山座り込んでいるのが見える。
 急角度で突き上げているので、涼しく眺めも良いので、稜線で弁当を食べることにした。
 だが、分岐から左に曲がると、バスで上がって来た観光客で登山道は大賑わいである。JTB「花の旅」の記章を付けスニカーやサンダルを履いた団体さんである。
 風が下から吹き上げ涼しい風が頬を撫でる。さっきまで暑さでもがき苦しんだことが嘘のようにすっきりとした気分になった。
 近くには、今登ってきた登山路が下から上までパノラマのように美しい。
 遠くに鈴鹿の山並みや琵琶湖もぼんやりと見えた。何と素晴らしい景観だ。
 この満足感は、バスで来た人たちには分からないだろう。指定席は観光客で占領され座れないので、少し離れた場所で昼食をとる。この上にもサンバのリズムが静かに聞こえてきた。

<悲しき百名山>
 40分ほど休(昼食)むと、体温も下がり元の体に戻る。
 しかし気温は少しも下がらない。花園を見ながら山頂までの散策である。
 シモツケソウが燃えるようにきれいである。赤い花園に黄色いメタカラコウが目立つ。
 クガイソウ、イブキトラノオなどいろいろの花が鮮やかに咲いていた。腕章を巻いたボランティアの観察員が花の説明をしてくれる。200円で冊子を買い聞き入る。
 山頂に来ると人が黒山のようにいて花博の会場にでも来ているようだ。
 殆どの人はバスで来た団体さんである。
 弁当・氷・アイスクリームなどを食べ休憩している。側には、ゴミがうず高く積まれトイレも汚れて使えない状態で観光地に良くある光景だ。
 このお山が日本百名山と思うと悲しくなる。

<トップの写真>
 山頂南側ガレの深い谷。斜面一杯にオオバギボウシが咲いて壮観だった。
 なんとか立体感のある撮影ができないものか、カメラをタテにしてもヨコにしても上手くいかなかった
 下りも同じ道を歩いたが、猛烈な暑さで1時間も歩くと頭がおかしくなるほど強烈な陽射しである。  半ば日射病にやられたような状態になったので、三合目からはロープウェイで帰ることにした

三合目
生まれたての蛾か蝶。飛び立つのに少し時間がかかった。
 三合目でイブキミュージックイベントが開かれ多くの若者が集まっていた。

 猛暑の伊吹山は一日中青空が広がり、サンバのリズムがとどろきわたった。

五合目

左、五合目。
右、七合目。

九合目付近

左、
稜線から三号目付近。

稜線上のお花畑

灼熱の山頂のお花畑はシモツケソウで赤く染まり黄や紫に蝶が舞う

咲いていた花の数々

【山頂へ】