【山記録】 
日時天候 2018年02月18日(日)晴れ・曇り・強風の荒れ模様
山名標高 厳寒の霊仙山周回・1083.5m  山頂の気温―7℃
山域 鈴鹿
コースタイム
落合集落(09:20)~汗拭峠(10:15-20)~近江見晴台(11:17-30)~お猿岩(12:05)~霊仙山直下ドリーネで昼食(12:50-13:39)~霊仙山(13:45-50)~最高峰(14:10)~近江展望台(15:00)~笹峠コバ(15:40-52)~今畑((16..36)~今畑登山口(16:43)
総タイム7時間23分(休憩昼食タイム60分程度含む)
距離/累積高度差 沿麺距離9. 4キロメートル 高低差760m 累積高度差(+1367m -1378m) 
団体名等 Gisuzuk例会47名

【軌跡ログ・国土地理院12500図66%縮小

標高・グラフ図

【カシバート鳥海図】

足跡
<前書き>
 GIsuzukaは、鈴鹿がホームグランドである。
 若者がいない元気な高齢者(60~70才台)の登山グループである。 
 今回の山行は、京都・滋賀県方面からの参加者がどっと増え何と47人が参加することになった。
 8時30分、野鳥公園(多賀町円)に集合。
 10台の車に分乗し、県道17号線を走り最奥地の落合を目指す。
 県道17号線は、妛原を過ぎると(民家がないので)道路は除雪されていない。
 何処まで車が奥に入れるか行って見ないと分からない。
 そこで、選抜された車には雪かき用のスコップ等を積み込み何とか人海戦術で車が通れるようにしたいとの思いで野鳥公園を出発した。
 現況は、妛原の広い所に除雪車が置いてあった。
 奥は、予想通り除雪はされず四駆車でないと入るのは厳しい。
 妛原を過ぎると雪交じりの道で凍結していた。1台の車がスリップして緩い坂が上がれない。
 数人が後ろから押しても空回りし前進できず。結局、この車はかなりバックして停めた。
 妛原付近には、2台車を留め落合まで歩くことになった。
 最奥地の落合には、2台車は入ったが雪かきをしスペースを確保した。
 その作業にかなり時間を要したとのこと。

<山レポ>
 9時20分廃村落合集落出発。
 青い空、白いお山に太陽が照る。我々を歓迎しているかのように美しい景観だった。
 大洞谷中間部に来てアイゼンを装着した。
 汗拭峠へは、最後がきつい登り坂。ここは、凍結し滑りやすいのでアイゼンは必携。
 汗拭峠に来たら醒ヶ井から登ってきた大阪13人グルーと出会う。
 お猿岩まで付かず離れずに歩いた。
 近江展望台からは、白い伊吹山と金糞岳が遠くにくっきり見えた。

 12時05分、お猿岩到着。
 この大地に立つと遮るものはなし経塚山への谷間が白く厚化粧し美しい。
 大阪から来たグルプがおトラ池に向かって行く。
 反対にお虎池辺りからお猿岩に来るグループ皆さんの姿が一目で分かる。
 我々は、霊仙山への直登である。深雪でワカンに履き替える。

 トレスのない斜面は、ラッセルで体力を要す。非力な自分は後ろから登る。
 振り返ると雪の伊吹山と、隣に青い琵琶湖が大きく見える。
 美しい樹氷を縫う変化に飛んだ大雪原の中には道などあろう筈もない。
 ただひたすら上へ上へと目指すのみ。

 12時50分、三角点直下のドリーネで昼食。
 霊仙山直下のドリーネで昼食をとる -7℃の極寒に体が震える。
 ザックは冷凍庫のようだ。強風が舞うと上から小雪が降って口の中に入ってくる。
 食事済み次第、早々に撤退する。
 早く昼食を済ませた人は、尻滑りをして楽しむ。

 13時45分、霊仙山着。
 極寒の霊仙山は、強風が舞い来る人を拒むかのよう。長くはいられない早々に立ち去る。

 14時10分最高点着。  
 風速20mもあろうか寒風吹きさらしの最高点も体が凍ってしまいそう。
 白い伊吹山が、サヨナラサヨナラしているよ。

 14時05分西南尾根から笹峠へ。
  西南尾根に入っても強風が舞い雪煙が上がる。
  長大な白い尾根筋には、雪庇が張出し樹氷のトンネルを潜る。別世界の景観にしびれる。
  殆ど毎年、霊仙山に来ているがこんな大きな雪庇を見たのは今回が初めてだ。
  近江展望台からは、大きな鍋尻山を見ながら急斜面を下降する。
  アイスバーンにはなってはいなかったが、二度転倒した。
  笹峠コバに来て安堵する。
  笹峠を経て廃村の今畑集落から今畑口に全員無事下山した。


<哀悼>
 今日のお天気は、2005年02月20日に霊仙山に登頂した時の天候とよく似ていた。
 先般亡くなられた岩野明リーダ(近江八幡市)にお世話になった。
 この時、彼の言葉がとても印象に残った。
 私が、鈴鹿ホームページにデビューした記念日である。
 この時の記事を改めて掲載し、岩野さんに感謝し冥福を祈ります。
 
<2005年02月20日低気圧通過で山の天気は激変>
 予想も出来ない低気圧の通過で霊仙山は、吹雪で荒れ狂うた。
 視界が全く利かないので、山の大きい霊仙山を歩くことは相当なベテランでないと危険である。
 山を知り尽くしたリーダIさんのお陰で難しいルートも難なく歩け貴重な体験をすることができた。
 登り始めがこのような天気であれば、当然中止になるのだが、朝の天気予報では、曇り。
 この台風並みに発達した低気圧には全く触れられず、むしろ午後からは天気は回復するというようなことだったのだから、冬山の厳しさを知る山行きだった。

 登山口から三合目あたりまでは、雪の少ない道で風も弱くまずまず順調な出足である。
 四合目あたりから周りは白い雪となり小雪がちらついて来た。
 10分で見晴台五合目への標識を見て上っていく、10分以上かかって見晴台に着く。
 広場の先から琵琶湖や近江の山々が見えるのだろうが、今日は雲で何も見えぬ。
 それより琵琶湖から冷たい風が吹き上げてきて、気温が下がり一段と寒くなったので、防寒着を着用する。20分遅め歩きでお猿岩に着く。
 「お虎が池まで10分、頂上まで50分、経塚山まで35分の」標識も風と雪に埋まれている。
 凄い強風と雪が舞う荒れ模様である。これから先は、登山道は雪で消えて広い雪原となる。周りの景色も確認ができないので単独ならこの辺りで撤退していただろう。
 ここで、ワカンに履き替え雪中行軍で始まる。リーダが右側の谷へと指示する。
 お虎が池とはやや東の方向である。地図を見たらほぼ三角点へ直登するようだ。それにしても固い所と柔らかいところがあり区別がつかない。
 ワカンのない者は太ももの付け根まで突っ込み足を引き上げるのに苦労する。
 積雪は恐らく胸までくらいまであるのではないか。ワカンを歩いた人の位置と少しでもずれるとずるずると足を取られる。こんな豪雪を歩いたのは始めてである。それに台風並みに発達した強風で体が傾き踏ん張らないと前進できない。
 やっとのことで三角点に到着したら、猛吹雪で霊仙山と書かれた山名と標高の数字は、雪に埋もれて見えなかったので、手でこすり何とか写真が撮れた。
 吹雪で数メートル先の人も見えないし言葉も聞こえない。リーダが大きな声で固まれ離れるなと言って少し先の鞍部におり食事をする。
 コンパスを見なかったので、どの方向に下りたのか現在地が分らない。
 木の回りにリュックを下ろすが、尻に引いていたポリの敷物が、尻を挙げたとたんあっという間に天高く消えていった。
 食事を済ませるが寒くていられないので早々に出発する。
 5分ほどで最高点に到着。やっと休憩した位置が分る。
 それにしても風雪混じりの凄い強風が吹きまくる。霊仙山最高峰という標識も風で倒れていたので、立て直し写真を撮るが、また風で倒れてしまった。
 眼鏡のレンズが凍り見にくい。いよいよ西南尾根へ向かうが、ここから風が弱くなるのでは思っていたのだが、なんのことはないこのヤセ尾根にも容赦なく風が吹き荒れ、真っ直ぐ歩けない風速30メートルはあらんかの強風で足がすくわれそうになる。体の位置を変えスローで歩く。
 途中、反対方向から5名グループとすれ違う。お互いに気をつけて、大きな声で言葉をかけ別れる。
 尾根の先から笹峠までは一気に降りる滑りやすい道である。
 この下りは岩が凍っていて危険である転んだら大怪我をするので道を選びながら慎重に下る。
 やっと笹峠に来て風が治まる。霊仙口に着いたのは15時30分。6時間に及ぶ雪中行軍で今まで知りえなかった貴重な体験をさせてもらった
 Iリーダは、この山に何度も来ているのだかこれほど雪の多い霊仙山を歩いたのは今回が2度目。
 今日は、本当に厳しい山行であったとの弁
であった。
 この悪い気象条件に写真は、撮影は難しいのではと思っていたが何とか撮れていたが、レンズは奥までベタヘタに濡れていたので、ほこりやゴミが残るのではと後のツケが心配だ。

【落合集来て落が出発地】
上、
最奥の落合へ雪かきをし2台車を停めるが、かなり時間を要したとーー。

左、
廃村落合集落。青い空と白いお山に太陽が辺る。
我々を歓迎しているかのように美しい景観だ。

【大洞谷を詰める】
 汗拭き峠への道は、雪に埋まっていた。大洞谷流れる谷水は、凍結せずチョロチョロと流れていた。

【汗拭き峠】
上、
汗拭峠へは深雪できつい登り。

左、
汗拭峠。
醒ヶ井から登ってきた大阪13人グルーと出会う。お猿岩まで付かず離れずに歩いた。

【近江見晴台】
上、
見晴台への登り道。

左、
近江見晴台


見晴台の展望。
伊吹山から金糞糞岳。

【お猿岩へ】
左、
やっとお猿岩近くのピークが見えてきたぞ。

下、
お猿岩から霊仙山西峰を仰ぐ
感動した。


【お猿岩からルートを外れる】
上左、
お猿岩。
雪に埋まっていたもよう。
上右、
西峰を巻きながら霊仙山を直登。
左、
一般ルートを歩く団体2グループ。
下、
厳寒の琵琶湖。陽が当たり輝いていた

皆様のお蔭で最高に楽しいルートファインディングでした】
 霊仙山への直登ルート。振り返ると雪の伊吹山と、隣に青い琵琶湖が大きく見える美しい樹氷を縫う変化に飛んだ大雪原の中には道などあろう筈もない。ただひたすら上へ上へと目指すのみ。軟弱な自分は、後ろについて楽をさせて貰いました

【霊仙山直下のドリーネで昼食】
 霊仙山直下のドリーネで昼食をとる -7℃の極寒に体が震える。時折、強風が舞い上から小雪が降ってくる食事済み次第、早々に撤退する。
 早く昼食を済ませた人は、尻滑りをして楽しむ。

【霊仙山】
 極寒の霊仙山は、強風が舞い来る人を拒むかのよう。
 長くはいられない早々に立ち去る。
 

【最高点】
 寒風吹きさらしの最高点も長くはいられない。
 白い伊吹山が、サヨナラサヨナラしているよ。
 周りの景観に赤の防寒着は、目立つしよく似合う。
 
 

【西南尾根】
上、
西南尾根に入ると風強く雪煙上がる。

西南尾根
左、
南霊山を行く

【西南尾根】
 殆ど毎年真冬に霊仙山に来ているが、大きな雪庇を見たのは初めてだ。オヤ雪庇の向うに怪しい人物がいるぞ。お前は誰だ。

近江展望台

【近江台からの下降】

【笹峠コバで休憩】

【下山】
上、
今畑集落。

左、
今畑登山口へ下山。
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