2005年11月6日(日) 天候  曇り/豪雨
山名 鼓ケ岳(355.2m)前山(528.8m)鷲嶺(548m)
人員  単独 GPSはなし。まだまだ普及していませんでした。
コース・タイム  神宮会館(8:25)〜五本松神社(8:55)鼓ケ岳(9:15〜9:25)〜P413(10:10〜10:15)〜P373(10:40〜10:45)〜P406(11:15)〜P492(11:40〜11:45)〜(12:05〜12:25)〜P436(12:45)鷲嶺〜(13:40〜14:50)〜宮川パークランド(15:20) 総時間 7時間

 歩行地図

 足跡ーGPSのない時代暗闇の鷲峰でさ迷う
 迷い山と云われる鷲峰や前山へは、別々に数回登った記憶があるが遠い昔のことである。
 前山から鷲嶺となると近くて遠い山域となる。ここには、神宮という関所がある。
 神宮司庁の通行許可書が下りたので悪天候ながら決行した。
 下山口の仙人下橋(内宮から高麗広に向かって4キロ先)に車を置いて、チャリンコで神宮会館へ向かう。神宮会館の横の坂(23号線沿いに修養団伊勢道場の看板が立っている)を登っていくと駐車場がある一番奥の掲揚台の所が登山口である。8時25分出発。急坂を上がると五本松神社である。椿の多い所で五本松らしきものなし。鼓ケ岳へは50分で到着。暫く休憩する。少し先にある天狗岩の方が、伊勢湾や伊勢市街の眺めが良いのだがガスで今日は見えない。
 「ヒモロギの里」次に「養命の滝」分岐を過ぎると前山の領域に入る。樹林が鬱蒼とし昼なお薄暗く一般登山者は敬遠される。広い尾根道は、荒れていて歩きにくい。P413の手前、地形図には前山町へ下る道が掲載されており探しに行くがアセビやツバキの木で前進を阻まれ分らず。
 バックすると天井が見える広場に出る。周りはゴツゴツした岩が点在する。岩に腰掛け地図とコンパスを取り出し現在地を確認する。ここから、西の尾根へ向かう。
間もなく 「蓮台寺山・いせ青木」というプレイトにP413という表示あり。蓮台寺山という名前は初耳。降りていくと藤里町蓮台寺の里がある。この一帯は、蓮台寺柿の生産地でもあることから、拝借したものか。地元の人間としては、この地を前山で通っているのでピント来ない。P413の表示はありがたい。
 これから先は、神宮の管轄(神の道を汚してはならない掟)なので、テープ・ぶら下がり物・タバコ・ゴミ・杖は一切禁止する旨の誓約をした。
 P373の鞍部に新しい林道が出来ていた。これにはびっくりさせられた。
 林道を横切る登り口がないので、直に登ると鹿が眼の前を2匹横切っていた。ここへ来るまでに何度もピィという泣き声を聞いた。間もなく猟が始まる「鉄砲と犬」はゴメンだ。
 11時45分、P406着。大雨となったのでカッパを着る。
 12時05分前山着。雨が激しく降り夕闇のように暗い。ここで、20分ほど休み昼食をとる。以前あった前山というプレイトもなくなり三角点で山頂を確認したが、このような場所は他にもあり意識して探さないと見過ごす何回来ても分りにくいところだ。
 前山からの下りは、要注意である。
 踏み跡薄くテープも幾つかあり迷いやすい。南尾根へ下りていかなければならないのだが、途中から西よりに歩いたようだP436地点とはかけ離れたところへ降りた。
 前山までは、数回登っているのだが、この先は未知の世界ーー。

 P436地点への道は、前山町に通ずる幅広な山道で歩きやすい。暫く行くと左側が開けたところに出る明るい林のような原生林が見え歩いて楽しいところ。
 いよいよ鷲嶺に向かっての登り道となる。
 
 2時過ぎというのに真暗でヘツドランプを付け登る。
 前山から1時間位で山頂部に到達するが鬱蒼とした森の中は数mしか見えない。山頂を示すケルンを探すが見つからないので上へと進む。この山は岩が多い。周りにはケルンと似たピークのような岩もあり紛らわしい。ここまでコブを3つほど超えて来たので変だなぁと思いながら前進すると下り道となったので間違いに気づきバツクする。
 晴天でも暗い鷲嶺は、魔の山として地元の人も近寄らない恐怖の山が牙をむく。
 周りに確認するものがない。再び高い所に戻ってケルンを探す。
 20分近く行ったり来たりして小さなゴミ箱を見つけた。このゴミ箱に見覚えあり決めてとなった。側にケルンがあった。
 山名のプレイトは壊れケルンの下に落ち、鷲という字がかろうじて確認できる。手ぬぐい拭いて分かりやすい場所に置く。時計を見たら3時前、竜ケ峠の尾根はツバキ・アセビの木等がジャングルのように密生し暗いので前へ進むのも容易でない。
 鷲嶺からエスケープして宮川パークランドへ下山することにした。
ほんに500メートル程の距離なのだが、これがなかなかのくせものである。以前、この道を歩いたことがあるのですんなり歩けたが、初めてなら山中さ迷うこと必至である。
 
 翌日、逆コース(伊勢市矢持町菖蒲)から竜ケ峠に出て鷲嶺に登り、山頂部一帯を歩き検証したら次のことが分かった。

@高いコブを3つ超えた。ーーー等高線が10m以下のときは地図に掲載されないので、既に鷲嶺のケルンを通り過ぎ、竜ケ峠へ向かう尾根の中心部を歩いていた。
竜ケ峠への登山路は、尾根中心部より少し下にある。ケルンのあるとこを右下に巻くのが正解。

A鷲嶺の山頂部は、暗くて見通しの悪い平らな台地にケルン(道標)がある。ケルンは、高いところにあるものと錯覚していた。周りにもよく似た岩があり、悪天候で見落とした。

B竜ケ峠は道路整備で一変する。昔の雰囲気はなくなっていた。残念だ!!
 鷲嶺は、魔の山として恐れられ地元の人も余り近づかない。近くに鷲嶺近くのの水穴へ、ぼちぼちと来るという状況であったのだが、−−
 近年、大規模開発により鷲嶺近くまで家が建ち民地側の環境は変わってしまった。竜ケ峠も、林道整備により、東屋やが建つなど何処にでもあるような峠になってしまったのがとても残念です.。

 【登山口は修養団伊勢道場から入る】

 神宮会館横の坂を上がるとこの広場に着く。(左)その奥にある掲揚台の裏から入っていく。

【五本松神社】
宇治祖霊社の奥から、急な坂を上がってくる。昼間も暗い。参道を歩いて祠まで行くと静まりかえって怖いくらいです。

【鼓ケ岳】

左、鼓ケ岳山頂。
右、天狗岩からの展望。市街地が雲の中に写っている 怪しい雲行きです。この後、恐ろしいことが待ていることも分からず突っ込む。

 

【前山への道は難路】

左、ヒモロギの里道。右、養命の滝道。
どちらも樹林に覆われ昼なお暗い道なので、一般登山者に敬遠される。ツバキとアセビのジャングルです

【以前はなかった蓮台寺山とは、P413だった】

P413地点。
ポイントに表示がないので、現在地が分からない。このような表示は、陸の灯台みたいなもので有りがたい。
 さて、この413m蓮台寺山と書いてあるが聞いたことない。最近、aokiさんが付けた名のでしょうか。
 この辺は、晴れていても暗いところです。雨が降っているので周りは真暗いです。レンズは2.8と明るいのですがーー

【P406とP492は縦走路のポイントですがーー】

左、P406地点。ここは、西方向に向きを変える。
右、休んでいたらP492と書かれた名札が道端に放置されていたので、木の枝にかける数字はどうにか読める。この辺りから雨が激しくなって来たので上下のカッパをリュックから取り出すがべたべたに濡れてしまった。

【前山は方向を間違いやすい迷い山】
 中央に前山の三角点が見える。周りにも石が点在し、分かりにくい。このような場所は他にもあり意識して探さないと見過ごす
 雨がますます激しくなって、前が見にくい。迷いの山がキバを剥いた。これでは遭難必死だ。一瞬バックしょうかと頭によぎるが、戻るにしてもこの天気では迷いそうなので前進を決断する。カメラはリユックに入れる。その後は、取り出すことはなかった。
下りは、要注意である。
 三角点を見てから下りないと迷路を行くことになる。左の方向へ道をとるが、薄い踏み跡はあちこちにありカンでおりるしかない。途中からはっきりして来る。
前山〜鷲峰〜宮川パークランドへ下山については、上の山記録を参照

 前山山頂にある三角点

翌日(11月7日)鷲嶺へ検証に行く

鷲嶺で迷った道を検証。
上、 山頂部の目印となるケルン。晴天でもなお暗いので魔の山といわれている。

【翌日検証ー竜ケ峠への道】

 ここから平家の里キヤンプ場まで700m地点。橋の手前から左の道が竜ケ峠へ
この近くから竜ケ峠が見えた。右端、鞍部が竜ケ峠

【翌日検証ー鷲嶺途中にあるP483標識】
左、P483標識。
 竜ケ峠から鷲嶺に伸びる尾根。ここも、樹林と岩に覆われ見通し悪い。古いテープは巻いてあるが、道標にはならない。
 標識はP483以外なし。
 ジャングルのような樹林が密生しているので尾根芯を外さないよう歩く。