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【山記録】 | |||
日時・天候 | 2007.8.7~10(3泊4日)・4日とも快晴 | ||
後立山縦走山名 | 爺ケ岳南峰(2660m)・岩小屋沢岳(2630m)・鳴沢岳(2641m)・赤沢岳(2676m)・スバリ岳(2752m)・鉢の木岳(2821m)・蓮華岳(2799m) 計7座 | ||
山域 | 長野・富山県境 | ||
コース・タイム | 8月8日 | 扇沢駐車場(06:10)~ケルン(07:05-15)~種池山荘(10:00-30)~爺ケ岳南峰(11:20-35) | |
種池山荘(12:05-40)~岩小屋沢岳(14:40-45)~新越山荘(15:40)泊 | |||
8月9日 | 新越山荘(05:40)~鳴沢岳(6:20-30)~赤沢岳(7:30-50)~スバリ岳(9:55-10:15)~針の木岳(11:15-12:00)~針の木小屋(12:50-13:20)~蓮華岳(14:40-55)~針の木小屋(16:10) | ||
8月10日 | 針の木小屋(6:05)~雪渓上部(6:40-50)~雪渓口(7:20)~大沢小屋(8:05-20)~登山口(9:00)~扇沢駐車場(9:25) | ||
人数 | 単独 |
【地図】 |
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【初めに】 |
後立山縦走路は、高山植物が多いと聞く。 花の咲く時期につき自由自在に歩ける単独歩きで行くことにした。 特に、印象に残ったのは蓮華岳のコマクサ。花の多さに吃驚させられた。白いコマクサも発見。 赤沢岳や針の木岳から初めて黒部湖や高瀬湖などを見た。急稜な谷間に蒼い色をした黒四ダム湖と堰堤が小さく見えた。 山頂からダム湖を見ると、まるで飛行機から見ているような感じで立体感があった。 全日程、日本晴れの快晴で縦走路は暑さに負けそうであったが、剱・立山連邦・表裏銀座・富士山など素晴らしい景観は生涯忘れえぬ山旅だった。 針の木大雪渓も心配したほど雪はなくアイゼンなしでも歩けた。 |
<8月8日> |
![]() 近くの市営駐車場に車を駐車させ車の中で寝る。 ○8月8日午前5時起床。 お湯をわかしパンで朝食をとる。弁当をリュックにいれ服装を整え出発の準備をする。 橋の袂にある爺ケ岳登山口まで10分ほど歩いて6時10分出発する。 柏原新道は、ガイド本に歩き良いと書かれていたが、最初のモミジ坂から急登である。 ペース掴めずヨタ歩きで、次から次へ追い越された。大町市街が見えるあたりから落ち着いて歩けた。 10時に種池山荘に到着すると人で大賑わい。 爺ケ岳を往復し種池山荘に12時に戻る。近くの斜面に一面にチングルマが咲いていたのが素敵だった。昼食をとり岩小屋沢岳に向かう。 種池山荘からキヤンプ場を抜けると立派なキヌガサソウの群落が続くーー岩小屋沢岳までの登山路は花・花の道で嬉しい悲鳴であった。 写真を撮りながらのんびり歩いてハイマツの稜線をのんびりと進み、小ピークを越えれば、キレットに建つ今日の宿泊地「新越山荘」へ15時40分着く。 新越山荘からの眺めは、素晴らしい。夕と朝の富士山を撮る。 この小屋は、居心地がとても良かった。 |
【爺ケ岳登山口から柏原新道を登る】 |
![]() ![]() 扇沢橋の袂(左岸側)に爺ケ岳登山口の標識あり橋付近、登山者の車が多く駐車していた。 |
【八ツ見ベンチ付近に来ると種池山荘が見えた】 |
![]() ペース掴めず超スローで歩く。 八ツ見ベンチ(左)まで来ると緩くなる。 これから登る岩小屋沢岳や種池山荘の小屋も小さく見えた。(下左)) 少し先に石ベンチと書かれたところで休んでいると、ツルハシなどで道の整備をしていた人に出会う。(下右) 「御苦労さまボランティアですか」と尋ねると小屋の者です。との返事がかえってきた。 |
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【種池山荘は縦走路の要所】 |
![]() ![]() 種池山荘前の標識。右、鹿島槍ケ岳・爺ケ岳方面。左、鳴子岳・針ノ木岳方面。山荘横に種池がある。池の水は枯れることはない? |
【種池山荘から爺ケ岳へ】 |
![]() ![]() 左、爺ケ岳山頂。背景は立山連邦。 右、鹿島槍ケ岳。 長野側はガスっていた。立山側は、晴れていたので冷池山荘も見えていた。 |
【種池山荘に戻り昼食後、岩小屋沢小屋に向かう】 |
種池山荘から少し爺ケ岳方面へいったところにお花畑がある。斜面一面にチングルマが咲いていた。 こんなに多く開花しているのを見たのは今回か初めてだ。 種池山荘に戻り40分休憩。昼食をとり岩小屋沢岳へ向う。 |
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種池山荘から岩小屋沢岳方面へ少し歩くと、キヌガサソウの大群落がある。 大きな花からは、妖艶な雰囲気が漂っている。新越小屋乗り越付近では、シナノキンバイやミヤマキンポウゲのお花畑のほか、ハクサンチドリやテガタチドリモモ咲いていた。 スバリ岳から針の木岳にかけても花が多く砂礫斜面には、コマクサやクモマスミレ、岩稜帯では、シコタンソウ、ミヤマオダマキ、イワベンケイなどが咲いていた。 特に、岩小屋沢岳までの登山路は花・花の道で嬉しい悲鳴であった。 下記の写真はすべてここで写したものです。 |
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【岩小屋沢岳頂上】 |
![]() 岩小屋沢は、剱・立山が連邦が間近に見えた。ハイマツの稜線をのんびりと進み、小ピークを越えれば、岩小屋沢岳と鳴沢岳の鞍部に建つ新越山荘に着く 途中、動物のフンや食べカスが、山道に連続してあった。 |
【鳴沢岳への縦走路】 |
![]() ![]() 左、鳴沢岳への縦走路。右が立山側。尾根鞍部に新越山荘が建つ。 右、岩陰にひっそり咲いていたチシマギキョウ |
<8月9日> |
【新越山荘】 |
新越山荘に宿泊。1泊3食8700円(弁当1000円) 建物は近年建て替えられたのか、古さはない。定数80人。今日の泊は30人ほど。予約をしていたお陰か空室へ一人で泊まる。皇太子並のvip待遇でぐっすりと眠れた。8700円の料金は、安かった。 山荘前から富士山が美しい。夕方と早朝に撮影。 カメラは、キャノンPowershotA710。夕方、望遠側で撮影したものが下記の写真。 翌日、早朝に撮影したものトップの写真。 所詮、バカチョンカメラの類につきこれ以上期待するのは無理というもの。 |
![]() ![]() 山荘前から富士山が美しい。夕方と早朝に撮影。 |
【鳴沢岳】 |
![]() 露岩帯を越え鳴沢岳に7時30分到着。新越山荘から40分要した。 朝の斜光で輝く剱・立山連邦がひときわ美しい光景であるが、写真は逆光でダメ。 爺ケ岳・鹿島槍ケ岳方面が太陽に映え瑞々しい。(左の写真) 弓なりに続く稜線の先に大きな大きな赤沢岳へ向かう。 |
【赤沢岳】 | |
この山域は、爺ケ岳方面からの登山者が少なく静かな雰囲気がとても良い。 赤沢山頂で20分休んでいたが、誰も来ず大展望を一人占めした。 赤沢岳との稜線直下には、扇沢と黒四ダムを結ぶ関電トンネルが走っている。前方には荒々しいスバリ岳や針の木岳が、これまで縦走してきた山域と異なる荒々しい光景に息を呑む。 |
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鳴沢岳から見た赤沢岳 | スバリ岳から見た赤沢岳 |
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<赤沢岳山頂から撮る1>岩の殿堂剱岳・立山の大展望 |
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【<上記、写真をワイドに写す>】 |
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<赤沢岳から撮る2>縦走してきた爺ケ岳・鹿島槍ケ岳方面。尾根の鞍部が新越山荘 |
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<赤沢岳から撮る3>スバリ岳~針の木岳縦走路 |
手前、スバリ岳。 砂礫で滑りやすい岩を乗り越していく。スバリ岳山頂は、岩がゴツゴツして荒々しい。立山・剱岳・黒部湖とさえぎるものなし。 右、針の木岳。 スバリから針の木まで岩コブを三つほど乗り越えていかなればならない。 奥、蓮華岳。 |
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【岩屑の道をスバリ岳へ向かう】 |
![]() ![]() 手前、スバリ岳。 奥、針の木岳。 |
【スバリ岳】 |
![]() 岩陰に咲くイワギキョウが、殺風景な光景に潤いをもたらし心がなごむ。鞍部から岩屑の斜面をジグザグに登ると狭いスバリの山頂に着く ![]() |
【針の木岳】 |
針の木岳山頂に来ると峠から往復する人もいて賑わう。 大展望台のような山頂は、のびのとびして気分爽快。 澄みきった青い空、残雪に輝く薬師や立山連邦が雄大である。下を見ると黒部湖と白い堰提が小さく見え高度差を感じる。 南に高瀬ダムと裏銀座・槍ケ岳や穂高・表銀座・遠くに乗鞍岳・白馬方面・焼山火打山・妙高・戸隠などアルプスの中心がパノラマのように見えた。 ![]() 裏新越山荘で買ったチラシ弁当を食べながら45分ほど休憩する。 蓮華岳を正面に見ながら峠に向かって下り始めたら、ライチョウの親子と会う。 カメラを取り出し追っかけるが、タイミングが合わずシャッターチャンスを逃すが、何とか一枚写っていた。 大岩の下をまきながら高度を下げて行くが、地震で崩れたらお終いのような怖いところもある。傾斜が緩くなると、シナノキンバイが咲くお花畑に来ると針の木峠は近い。峠には、百瀬新太郎が創設した由緒ある針の木岳山荘が建っている。 |
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<針の木岳からの展望>立山・剱岳 |
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<上の写真、立山・剱を拡大> |
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【針の木小屋】 北アルプス山小屋大全(枻出版社)本から借用。 |
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【蓮華岳】 |
針の木峠からハイマツと灌木の稜線を急登すると、白い砂礫の斜面が開けコマクサの群落が広がる。段状になった広い稜線を登って行くと蓮華岳の山頂に着く。 月の砂漠のような丘陵地にコマクサが咲いていた。稜線は広くてその数は分からないが相当な数のように思う。ピンクに染まった山なんて想像もしていなかった。 今まで登った山の中で最も印象に残った山であった。 |
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<白いコマクサを見つける> |
![]() 誰もが探しているようだが、なかなか見つからないのに何と幸運なことか。 |
【高山植物の女王ー可憐な可憐なコマクサ】 |
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【針の木小屋】 |
由緒ある針の木小屋は、槍ケ岳や富士山さんが正面に見えるのと花の山(コマクサ)蓮華岳の登山口とあって超人気の山小屋である。 テラスには、カメラマンや山親父(60才代男性)もいて楽しい会話が始まる。 ○何処から登ったんや ●柏原新道からです。お宅は、 ○針の木大雪渓からや。毎年来てる。 ●槍の隣に見える高い山は何ていう山ですか。 ○穂高や。奥穂の方が少し高い。 ●槍と穂高が背比べしているんですね。(下の写真) ○槍・穂高・富士山が前に見える山小屋なんてーここしかない。 ●朝は、もっと凄いんでしょうね。 ○それが楽しみで毎年来てるという訳さ。 夜は、満天の星が明日の晴天を約束しているようにギラギラとか輝いていた。 |
<針の木小屋からの展望1>翌日(2007.8.10AM6:00は、山親父が笑った。表銀座の山並みは絵ハガキより美しいとーー。 |
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<針の木小屋からの展望2>槍ケ岳 |
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<針の木小屋からの展望3>早朝の富士山。(2007.8.10AM6:05) |
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【針の木大雪渓】 |
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