【山記録】 | 谷川岳三角点 |
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日時・天候 | 2014年8月5日(火)/快晴・気温35℃前後 | |
山名・標高 | 谷川岳(トマノ耳1963.2m)・一の倉岳(1974.2m)・茂倉岳(1977.9m) | |
山域 | 上信越・日本百名山 | |
コース・タイム | 土倉山の家(5:05)〜ロープウエイ駅(5:30)〜西黒尾根登山口(5:45-50)〜鉄塔(6:03-08)〜ラクダの背(8:10-20)〜ガレ沢の頭(8:25)〜肩の小屋(10:30-11:00)〜谷川岳トマノ耳(11:10-20)〜オキノ耳(11:40-55)〜一の倉岳(12:55-13:05)〜茂谷岳(13:25-13:35)〜避難小屋(13:55-14:05)〜矢場の頭(15:00-:10)〜茂谷岳登山口(16:55)〜土樽駅(17;20) ●登山タイム11時間5分(うち休憩タイム105分) ●沿面距離17.4km(土合山の家〜JR土樽駅) |
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人数 | 単独 |
【軌跡図-笠がケ岳490m上空から撮影クリックで拡大】 |
【カジバートで見た谷川岳一の倉付近。白毛門標高420m付近から撮影】 |
【足跡】 |
<8月4日> 谷川岳は、東京方面からは近くて日帰り登山も可能なので大人気の山である。 伊勢から谷川岳への道は、余りにも遠い。 交通アクセスも悪く山登りとなると最低2日泊まらないと難しい。 単独につき車の経済的なメリットは少なく新幹線で行くことにした。 谷川岳は、オキの耳とトマの耳があり2000mとは思えない高山的風貌を備えた個性豊かな山である。上越線の上牧辺りから望むと、猫の耳を立てたように二つの耳が並んで見えることからこの名が付いたとあり。 今回は、土合から登り土樽へ下山した。 当初は、西黒登山口から登り田尻尾根を下り土合へ戻る予定でした。 前日、土合山の家でご一緒した宮城県から来たSさん(谷川岳を15回以上登っている70才台の超ベテラン)とお話をする。何度も来られないのでベストコースを教えて欲しいとお願いした。 彼は、持参していた谷川岳地図(北海道地図発行)を開く。 地図を見ると過去に登ったコースがマーカペンで記してあった。 今の時期は、花も咲き日も長いので展望の良い尾根歩きが楽しめる。 「谷川岳〜土樽」への大縦走が良いと奨められた。 登山口の西黒尾根は、日本三大急登の一つで厳しい登りの連続で樹林帯を抜けるまでは辛抱あるのみ。 少し先に巌剛新道登山口もある。(途中で西黒尾根と合流)マチガ沢沿いに登るので展望も良く多少緩やかで登りやすいとのアドバイスをしてもらった。 なお、Sさんは明日一番早いロープウェイで天神平に行きそこから谷川岳へ登るとのこと。 <8月5日> 5時過ぎ、土合山の家を出発。 20分ほどでロープウエイ駅に到着。8時営業開始なので誰もいないと思ったら下の駐車場に車を留め前へ行く中年男性が歩いていた。登山指導センターで水を補給する。冷たい水なので持っていた2リツトルの水を全部入れ替える。 5時45分西黒尾根登山口に着く。 巌剛新道から登るかどうか迷ったが、山と高原地図(昭文社)を見ると巌剛新道登山口まで30分位かかるので涼しいうちに登ろうと思い予定どおり西黒尾根登山口から登ることにした。 5時50分登山口出発。 天気は、快晴で絶好の登山日和である。 登山口は、白っぽい木肌で背が高い樹木の中に入る。この木は、サワグルミだろうかさわやかな森である。 最初から凄い急登である。体がなじむまではゆっくり歩くのがコツ。 20分ほど歩くと土合山の家で一緒した2人連れの女性に追いつき。更に前にいた若い単独女性をも追い越す。 皆さんとは「きついきつい」との挨拶を交わす。 タイムを見ると巌剛分岐までは「山と高原地図」とほぼ同じタイム。後半は、暑さでバテて多少遅れた。 樹林帯を抜けると展望が開ける。 谷川岳の岩峰が現る。(トップの画像) 左からトマノ耳(1963.2m)・オキの耳(1977m)・一の倉岳(1974.2m)・茂谷岳(1977.9m)でしょうか。 この時は、谷川岳以外の山名は分からなかった。 ラクダのコブに来ると中年男女ペアーが休憩している。 谷川岳の眺めは素晴らしいので交互にシャッターを押し証拠写真を撮る。 コブは二つのピークがありそれぞれ岩場があり。二つ目の大きい岩場は鎖が三ケ所設置してある。高度感はあるがそう難しくはない中級程度か。滑りやすいので雨の場合は足元に要注意である。 太陽がサンサンとあたる猛暑で頭にユゲがたつ。 逃げ場のない岩場の尾根は10分も歩くと水が飲みたくなる。水ばかり飲んでいたので体内の栄養バランスが悪く疲労が蓄積していった。 その結果、エネルギー減でバテバテとなり苦しい山歩きとなる。 10時30分。やっとのことで肩の小屋に到着した。 水の飲みすぎで食欲もなかったが、おにぎり一つとパンを流し込み30分も休憩したら体調は戻ってきた。 ロープウエイで来た人もいて大賑わいである。 土合山の家でご指導を賜った宮城県のSさんも少し遅れて肩の小屋に到着した。 肩の小屋から10分でトマノ耳に到着 少し雲が出てきたが、遠方の山もはっきりと見える素晴らしい眺めです。 鞍部には高山植物も多く咲いていた。イブキジャコウソウ・ミヤマダイコンソウ・ヨツバシオガマ・アズマギク・マッポウグサ・リンドウ・シモツケソウなど。残念ながらホソバヒナウスユキソウは見付けられなかった。 12時、オキノ耳から一の倉岳から茂倉岳へ向かう。 オキノ耳から5分ほと先に、富士浅間大明神の鳥居がある。 岩陰に祠があった。 この辺まで人が多くいたが、この先は誰もいない静かな山歩きである。 一の倉岳登る途中にのぞきがある。恐々首を出すと鋭い岩壁が見える。 多くの遭難者の魂が眠る岩壁に哀悼を表す。 一の倉岳の山頂は、広い草地に山頂名標識と避難小屋がある。 広くて緩い尾根を20分ほど歩くと茂倉岳に到着。 ここも広い大地で山頂名標識が建っている。武能岳・蓬峠と茂倉新道との分岐でもある。 一の倉岳・茂倉岳の山頂は、標識以外何もない高山らしい雰囲気はとてもシンプルである。 谷川岳から茂倉岳への縦走路は遮るのもののない大展望を1人じめで楽しめた。 僅か、数時間の滞在ではもったいない出来たらテント泊して御来光を仰ぎたいものだ。 茂倉岳から矢場の頭へは豪雪地なので大きな木は育たない。笹のような丈の短い植物が斜面に覆われ緑のジュウタンを敷いたように美しかった。 土樽駅から水上駅へのJR最終電車18時10分に乗車した。 土樽駅は無人駅で一日に数本しかなく土樽の宿も閉鎖しているようです。 人気が全く見当たりませんでした。 |
【土合山の家に前泊】 |
皇太子殿下が谷川岳へ登山されたとき、この宿に泊まられたとのこと。若き殿下の写真が玄関に飾られていた。山の家は、低料金にしては夕食のメニュウは豊富だった。 |
【谷川岳遭難者の慰霊塔】 |
ネットを見ると統計を取り始めた昭和6年から近年まで800人以上の人が死亡したとあり。 2000m級の山でこれほど多い死亡者数が出ているのは世界で類を見ない。谷川岳遭難の大半は、岩壁(ロッククライミング)である。 |
【谷川岳ロープウェイと登山指導センター】 |
左、ロープウェイ駅。 右、登山指導センター。 センター前には、冷たい自然水がとうとうと流れる水場あり。水を2.0g補給。ポカリ0.5g持参。山頂近くの肩の小屋で1.0g購入した。 |
【西黒尾根登山口】 |
谷川岳まで3.7km、 山と高原地図の登山タイム4時間となっている 最初から急登の連続である。 |
【サワグルミの森を通り鉄塔に出る】 |
鉄塔が建っている。 樹林の中、南面が見えた。 早朝、心地良い汗をかく。 |
【P1259付近から】 |
小さなコブに来て一息付くと、樹林の隙間から天神平らが見えた。 谷川岳山頂まで3時間の標識あり。 |
【樹林帯を抜ける】 | |
上左、標高1350m付近で樹林帯を抜ける。 上右、天神平。 左、田尻尾根。 遠方の山は、地図で見ると奥利根の武尊山(右)と至仏山(左)辺りになるのですが? |
【どの山もシモツケウが咲きピンク色に染まっていた】 |
上、シモツケソウ。歩いた先々で見られた。 中、天神平 下、朝日岳 樹林を抜けると明るい太陽がサンサンと照り暑い。 少し歩いても水が欲しくなるが飲みすぎても疲れる。 適当に塩分をとらないとダメ。最後の登りに来て暑さでバテた。 |
【岩場通過】 |
高度差があるので緊張する。 適当な足場もないので鎖でバランスをとるそう難しくはないが、雨が降ればかなり危険である。 |
【ラクダの背】 |
ラクダの背に来ると谷川岳が顔を出す。 オキの耳・トマの耳・一の倉岳と荒々しい岩峰の眺めに感激する。 一の倉沢は、尾根まで突き上げ険しい。 この先は強烈な陽射しで熱中症になる。 最後はバテて苦しかった。 |
【ガレ沢の頭】 |
【一枚の大岩】 |
「氷河の跡」と呼ばれてるところ。 岩は、ツルンツルンになって滑りやすい。 |
【ザンゲ岩付近】 | |
【西黒尾根上部から見た迫力ある谷川岳】 |
【肩の小屋への道】 | |
上、天神尾根道との合流地。 左、肩の小屋前から万太郎山への縦走路が見える。 下、肩の小屋。 |
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【谷川岳トマノ耳】 |
上左、トマの耳。 上右、トマの耳からオキの耳を撮る。 左、 鞍部からトマの耳を撮る。 |
【谷川岳オキの耳】 |
上左、オキの耳。 上右、オキの耳からトマの耳を撮る。 左、一の倉岳からオキの耳を撮る。 |
【富士浅間神社奥の院】 |
【憶出の碑】 |
【一の倉岳のぞき】 |
恐々首を出すと鋭い岩壁が見える。多くの遭難者の魂が眠る岩壁に哀悼を表す。 |
【一の倉岳(右)と茂倉岳(左)】 |
【一の倉岳】 |
左、一の倉岳山頂。近くにかまぼこ形の避難小屋があった。 下、鞍部から見た山。 左から一の倉岳、谷川岳オキノ耳、谷川岳トマノ耳。 |
【茂倉岳】 |
上、茂倉岳から見た谷川岳オキの耳とトマの耳。 オジガ沢への深かい渓谷は高山らしい雰囲気あり。 左、下山地の土樽が見える。 山と高原地図の下山タイム2時間35分。 |
【茂倉岳から武能岳・蓬峠方面】 |
【茂倉岳から茂倉新道を下る】 |
山頂から避難小屋を見る。 花が一面に咲いていた。 |
【避難小屋】 |
冬は、豪雪で小屋も見えないほど積雪がある。 |
【茂倉新道は、見晴の良い花の尾根道】 |
【矢場の頭】 |
上左、後方の山が矢場の頭。 左、矢場の頭から茂倉山を撮る |
【矢場の頭から土樽への下り】 |
木の根っ子が張り出して歩きにくい。 |
【茂倉谷登山口へ下山】 |
【咲いていた花】 |
宮城県Sさん届いたコメント |
Subject: 無事 土樽に着きましたか 谷川岳の印象は? 如何でしたか、私の一番好きな山です。 13時 山頂発ー15時ロープウエー着。 土合山の家に立ち寄り、ポカリーおいしく頂きました。 山小屋のおばさんが6時ごろと思い 長旅のドライブ、タイヤトラブル(タイヤ交換)と高速で事故に遭遇(自衛隊の車訓練帰りに 法面に乗り上げ転覆し、21名負傷。 高速の通行止め、国道の渋滞で22時帰着。 水上温泉は如何でしたか? ‘いせ人の山楽誌‘ 見せて頂きました。 楽しく拝読しました。 では、お元気で 宮城 S |
Sさん 今晩は 谷川岳ではいろいろとお世話になりました。お蔭で楽しい山旅ができました。 オキノ耳〜一の倉岳で1名の方と出会いましたが後は1人旅でした。 茂倉岳〜矢場の頭は、展望の良い花の尾根でした。 茂倉登山口へ17時前に着きました。山と高原のタイムとほぼ同じでした。 しかしながら、土樽駅への道で間違いました。 最後の分岐に来たら標識がなく、高速道路の下を潜り抜けた。 間違いと分かり30分ほどうろうろしていました。高速道路の下をバックして直進すると駅舎が見えてきた。 最終電車は、18時12分になんとか間に合いました。 いろいろとありがとうございました。 Shunon |