【山記録】
    雲取山三角点
日時・天候   2006年10月21日22日/曇り(2日とも)
山名・ 雲取山(2017.1m)
山域   山梨県・東京都
コース・タイム  (10月21日) 後山林道終点(9:00)~三条の湯(9:30-45)~北点のタル(12:05-40)~狼平(14:00-10)~三条ダルミ(15:00-10)~雲取山非難小屋(15:40-16:05)~雲取山荘(16:30)
 登山タイム6時間40分 
(10月22日) 雲取山荘(5:55)~雲取山(6:25-40)~三条ダルミ(7:10-15)~三条の湯(9:20-40)~後山林道終点(10:10)
人数 4人(男1女3)

【軌跡図】

【山記録】
 <まえがき> 新井信太郎著(雲取山小屋のご主人)の山本「雲取山の歩き方」を読む。
 コラムに「深い空の色、風にそよぐ花畑、ときおり顔を見せるヤマネやオコジョ清洌な谷川のせせらぎ、原生林の静寂、雲取山は味わいのある山」と書かれていた。
 東京都で一番高い山、女性人気の山、日本百名山とあり興味深々の山である。
 今回は、地元女性3名を加え4名で行く。日程は、2泊3日の行程である。
 交通は、三条の湯付近まで車で行くことにした。

 <10月20日>
 登山口のある三条の湯に最も近い丹波山村の民宿に泊まる。
 伊勢を午前7時出発。伊勢icから中央道勝沼icまで高速道路を利用する。
 勝沼icから丹波山村までR411号を走る丹波山村(たばやまむら)へ午後3時過ぎ到着。
 走行距離約440キロ、8時間ほどかかった。丹波山村の旅籠。丹波山荘に泊まる

 <10月21日>
 午前8時過ぎ丹波山荘を出発する。
 女将さんから「後山林道終点まで40分くらい。林道は、未舗装で狭く長いのでくれぐれも気をつけて下さい」との言葉に多少不安もよぎる。国道411号へ出て7分で「お祭り」に到着。
 国道にある「後山林道へ」の標識を見て左に曲がるが注意してないと通り過ぎてしまいそう。林道へ入るにはきついひじ曲がりでハンドルを二回ほど切り替える。
 昭文社の地図によるとお祭りから塩沢橋まで1時間45分そこから林道終点まで1時間30分。徒歩なら3時間以上で長い単調な林道歩きとある。
 後山林道入口は、狭くて暗い。前にオデッセイ車がデコボコ道の急坂をノロノロと走る。人を乗せこの長い急坂をこなすには、2000クラス以上の車でないと苦しい。高度を上げるにつれ緊張感も増す、前から車がこないことを祈りながら前進する。
 30分くらい走ると道路脇スペースに工事用車両が並んでいた。そこを過ぎると勾配も多少緩くなり車がぽちぽち駐っている。更に奥へ進むと道路脇に7~8台車が駐車しているのが見えた。ここが林道の終点だった。
 マイクロバスがとめられるほどの空地があったが、ここは車を回転させるためのスペースで駐車できない。車を移動し道路脇へ何とか駐車できた。後から来たオデッセイも停められたが、この後に来る車は下のほうへバックするしかない。通行止標識から先も林道は(200メートルくらい)続くが、一般車両は進入禁止で工事関係者の車が数台駐車していた。終点が登山口で案内板が立つ。
 後山林道終点を9時出発。
 青岩谷橋を渡ると、三条谷を左手に見下ろす谷間の道となる。少し先には、大きな川音を立てている三条大滝(左)が見えてくる。
 三条谷は、「やまなし森林百選」に選ばれた広葉樹の自然林で美しい渓谷である。
 途中、キノコ取りのおじさんに出会う。この辺で収穫したムキタケやナメコなどを見せてもらった。
 三条の湯小屋に近づくと谷底に流れる水の流れが早く滝のように白くなって美しい。
 9時30分、赤い屋根の「三条の湯小屋」到着。
 小屋で働いている娘さんにルート(北天のタルから雲取山へ)を尋ねる。
 今の時期は紅葉が素晴らしいルンルン気分で歩けますよとのこと。また、キノコ取りのおじさんに「青岩鍾乳洞見物を薦められた」と話すと、今は道が荒れて行けないとのことであった。
 9時45分、三条の湯小屋出発。
 小屋手前にある「飛龍山へ」の標識に従い急坂を登っていく。
 三条沢を右手に見て中の尾根中心部から左へ廻りこむとカンバ谷である。その向こうに前飛龍山らしき山か見えるが、長尾根のコブか前飛龍山かガスでハッキリしない。男性が単独で降りてきた。早朝は、晴れていたようで富士山も顔を出したとか。沢を渡ると孫衛門尾根を行く。中年夫婦と出会う。短い言葉を交わす。上り一方の厳しい道であったが分厚く溜まった落ち葉は、赤や黄色の豪華な絨毯の上を歩いているよう。適当なクッシヨンとなりで疲れを感じさせなかった。
 三条沢を右手に見て中の尾根中心部から左へ廻りこむとカンバ谷である。その向こうに前飛龍山らしき山か見えるが、長尾根のコブか前飛龍山かガスでハッキリしない
 上り一方の厳しい道であったが、分厚く溜まった落ち葉は赤や黄色の豪華な絨毯の上を歩いてよう適当なクッシヨンとなり疲れを感じさせなかった。
 北天のタルから三条タルミまでは、尾根の縦走路である。
 縦走路の山や谷は、赤・黄色に染まり錦絵を見ているようだった。特に、カラマツの黄葉はガスが幻想的な雰囲気を醸し出していた。惜しいのは青空がなかったことである。
 三ツ山(1949m)の下を巻いていくが、ガレ場の厳しいところには桟橋があり問題なし。
 初夏にはクモイコザクラ・アズマシャクナゲ・コイワカガミが咲いて美しいとある。
 三ツ山を過ぎて間もなく、運動場のような開けた明るい草地に出る。狼平だ。黒い大型の鹿が疾走していく泣き声も聞こえる。緩やかな広い高原のような雰囲気の良い尾根が続く道幅がせまくなり下ると三条タルミである。北天のタルから三条ダルミまでは誰にも会わず静かな山歩きだった。
 15時三条ダルミ到着。
 三条の湯小屋から登ってきた、東京7人グループと一緒になる。
 三条ダルミから山頂までは、250メートルの標高差を一気に登る。コース中一番きついところである時刻も夕暮れに近くになっていたので、雲取山荘へ向かう近道を行こうと思っていたが、東京7人グループリーダから、「この道は難路につき避けたほうが良い」とのアドバイスで、急げば廻れ山頂経由で雲取山荘へ行くことにした。40分ほどで非難小屋の前に出たが、きつい登りだった。
 15時40分非難小屋到着。
 岩が露出したところに雲取山の標柱があったので、一瞬ここが山頂かと思ったが、小屋の絵地図を見たら三角点は後ろにあることが分かった。
 ガスで視界が悪い七つ石山方面から多数の人が登ってくるのが僅かに見える。非難小屋の中に入ると温かい。本場アルプス並みの立派な建物に15人ほどの人が休んでいた。
 15分ほど休んで山頂に向かう。
 山頂は、非難小屋から少し高いとこあり三角点や標識が立つ。下から見るとなかなかシンプルで感じが良い。記念写真を撮る人で大賑わいである。視界が悪く富士山や大菩薩嶺、丹沢の山々の大展望は明日に期待するしかない。
 16時30分雲取山荘到着。
 小屋前のテラスに煙が上がる。小屋の中に入り受付をする。
 今日は200人を越える超満員であるとのこと。一部屋10人のすし詰めである。相部屋の6人さんは地元青梅市から来た団体さんであった。夕食も三回に分けて交替である。
 食事を終え部屋に戻ると消灯まで長いのでロビーの談話室に座る。ストーブが燃え温かい。新潟・東京などの人と談話する。
 新潟から来た年配の人に新井信太郎氏の本を見て来たといったら、本人がいるということで紹介してもらった。これには驚いた。トレードマークの白い鉢巻をした人が新井さんだった。
 「70歳を過ぎたらいつまでも70歳です」と言っていたがとても若々しかった。
 沢山人がいるので短い会話であったが新井さんから、温かいコーヒをご馳走になった。
 部屋に戻り毛布とふとん一枚で寝たが、暑くて眠れなかった。仲間も眠れなかったとこぼしていた。

 <10月22日> 
 4時30分起床してトイレへ行ったら、満天の星で星座も見え今日は快晴になるのではと思った。
 朝日が上るのが5時58分である。朝食は、一回目が5時半であるがあぶれたので二回目となった。
 6時出発。
 4時、星空であった上空はいつのまにか雲に覆われて朝日もぼんやりとしか見えなかった。
 薄明かりのなか、山頂を目指す。
 30分で山頂に着いたが、残念ながらガスで何も見えず。風も弱くて晴れそうな気配もないので退散することにした。山頂には大勢いたが、殆どの人が七つ石山の方面へ下りていった。
 7時10分三条ダルミへ下山。
 依然としてガスに覆うわれ視界が悪い。ここから富士山の眺めが良いと聞いていたのだか昨日も今日もダメだった。三条ダルミから水無尾根を巻くように下る。ブナやミズナラの原生林で、落ち葉が積もって歩いてクッションが良い。三文字水場付近に来ると下からどんどん人が登ってきた。ガスも消え明るい景観に変わる。周囲が伐採された場所に出る。ここで休憩していた人は飛龍展望地と言っていた。晴れていれば、三ツ山や飛龍山の眺めが良いとの話である。青岩谷(青谷鍾乳洞口)との分岐を過ぎ沢の音が大きくなると三条の湯小屋は近い。
 9時20分三条の湯小屋到着。
 帰路は、「丹波山温泉のめこい湯」に浸かり疲れを癒す。

10月20日ー丹波山荘に泊まる

 丹波山村は、奥多摩の上流にあり、谷間にできた小さな集落である。丹波川の橋を渡ると宿泊先の丹波山荘で、国道411号から三角の建物が見えた。山小屋風の情緒ある旅館で、手打ちそば・山魚女・山菜の手料理は新鮮で美味しかった。特に、「手打ちそば」の食味は忘れがたい。一泊二食に弁当を含めて9000円。

10月21日ー登山口の後山林道終点へ車で行く
 後山林道入口は、狭くて暗い。前にオデッセイ車がデコボコ道の急坂をノロノロと走る。人を乗せこの長い急坂をこなすには、2000クラス以上の車でないと苦しい。高度を上げるにつれ緊張感も増す、前から車がこないことを祈りながら前進する。
 30分くらい走ると道路脇スペースに工事用車両が並んでいた。そこを過ぎると勾配も多少緩くなり車がぽちぽち駐っている。更に奥へ進むと道路脇に7~8台車が駐車しているのが見えた。ここが林道の終点だった。マイクロバスがとめられるほどの空地があったが、ここは車を回転させるためのスペースで駐車できない。車を移動し道路脇へ何とか駐車できた。後から来たオデッセイも停められたが、この後に来る車は下のほうへバックするしかない。通行止標識から先も林道は(200メートルほど)続くが、一般車両は進入禁止で工事関係者の車が数台駐車していた。終点が登山口で(右写真)で案内板あり。

三条の湯小屋に向かう

後山林道終点から暫く行くと青岩谷橋を渡ると、三条谷を左手に見下ろす谷間の道となる。少し先には、大きな川音を立てている三条大滝(左)が見えてくる。

【三条谷】
 三条谷は、「やまなし森林百選」に選ばれた広葉樹の自然林で美しい渓谷である。途中、キノコ取りのおじさんに出会う。この辺で収穫したムキタケやナメコなどを見せてもらった。
 三条の湯小屋に近づくと谷底に流れる水の流れが早く滝のように白くなって美しい。

三条の湯小屋】
 9時30分、赤い屋根の「三条の湯小屋」到着。
小屋で働いている娘さんにルート(北天のタルから雲取山へ)を尋ねる。
 今の時期は紅葉が素晴らしいルンルン気分で歩けますよとのこと。
 また、キノコ取りのおじさんに「青岩鍾乳洞見物を薦められた」と話すと、今は道が荒れて行けないとのことであった。

【三条の湯小屋から北天のタルを目指す】
 三条沢を右手に見て中の尾根中心部から左へ廻りこむとカンバ谷である。その向こうに前飛龍山らしき山か見える(左の写真)が、長尾根のコブか前飛龍山かガスでハッキリしない
【北点のタルへの道】
 上り一方の厳しい道であったが、分厚く溜まった落ち葉は赤や黄色の豪華な絨毯の上を歩いてよう適当なクッシヨンとなり疲れを感じさせなかった。

沢を渡ると孫衛門尾根を行く
ブナやミズナラの原生林の孫衛門尾根。

【北点のタルで昼食】
12時、北天のタル到着。
 ここは、飛龍山へ行く道との分岐でもある。
 飛龍山へは、1時間で行ってこられるのだが、天候も悪いしメンバの足も重くて諦める。
 ここで、昼食をとるが相変わらずガスで視界悪し。

【北天のタルからは稜線歩き。山肌は赤・黄色に染まる】

北天のタルから三条タルミまでは、標高の高い尾根筋を行く、ここは東京都の水源地でもある。赤・黄色に染まり錦絵を見ているようだった。カラマツの黄葉は季節感あり。こんな景観はなかなかお目にかかれない。

【狼平】

 狼平は、明るくて気持ちが良いところ。
 黒い大きな鹿が疾走していった。
 大自然に来たという実感がする。

【三条ダルミ】
左、三条ダルミ。
右、雲取山へのきつい登りが待っている。

【非難小屋と雲取山】

左、非難小屋。
右、手前にある山頂標識。

雲取山

雲取山山頂。下から見るとシンプル。記念写真を撮る人で大賑わいスキを見て撮影。
雲取山「原三角測点」。
明治16年に設置された価値ある三角点で歴史上貴重なもの。

山頂手前。
ガスで視界が悪い七つ石山方面から多数の人が登ってくるのが見えた。

10月22日ー早朝の雲取山荘】

左、21日の雲取山荘。午前6時前、朝日がぼんやり見えた。

左、雲取小屋テラス。
右、雲取山小屋のご主人が出版した「雲取山の歩き方」山本。

【下山路の水無尾根】
 水無尾根に来るとガスが消え紅葉が一段と映えた。