【山記録】
日時・天候   2007年1月7日~8日(1泊2日・2日とも晴
山名・標高 丹沢山(1567.1m)・塔の岳(1490.9m)・鍋割山(1272.5m)
山域参加人数 神奈川県東丹沢/Mten氏ほか10名
コース・タイム  1月7日→蓑毛(07:00)~ヤビツ峠(08:20富士見山荘(08:50)~三ノ塔(10:20-50)行者ケ岳(11:48)~鳥尾山(12:30)~新大日(12:50)木の又小屋(13:07-15)塔の岳山荘(13:30-45)丹沢山(14:55-15:10)~塔ノ岳尊仏山荘(16:20)  総タイム9時間20分
1月8日→塔ノ岳尊仏山荘(07:00)~鍋割山(08:25-45)後沢乗越(09:27)~二又(10:20)~大倉バス停(12:40) 総タイム5時間40分
1月7日沿面距離→15.1km、累積勾配+1942m ー 0739m
1月8日沿面距離→10.9km、累積勾配+0285m ー 1470m

【】

【足跡】
 <はじめに>
 日本百名山の著者深田久弥は、丹沢の山のことを規模が大きくて全貌がつかめと云う。
 丹沢の山全体を日本百名山として位置づけているようです。
 丹沢は、ブナの原生林や明るいカヤトの尾根など魅力がイッパイ詰まっている。
 自分には身の丈に合った山のように思え登行欲にかられる。
 だが、我が街(伊勢)からは遥か遠い山だ。
 今回、京都・MTen氏が企画する(富士見を目的)東丹沢はを縦走する山行きに参加した。
 メンバは、関西の中高年グループ10人である。

 丹沢とは、(2007年1月山渓本抜粋)
 丹沢は神奈川県の尾根と呼ばれ、丹沢山塊や丹沢山地ともいわれる。
 東西40キロ、南北20キロの範囲に広がり、北は山梨県、西は一部静岡県にまたがっている。
 最高峰は標高1673メートルの蛭ケ岳で、決して高い山地ではないが、起伏の激しい山稜、荒涼としたガレ、ブナの原生林、明るいカヤトの尾根、深い谷など変化に富んでいる。
 とくに、沢や谷には、棚と呼ばれている数多くの滝があり沢登りが楽しめる。
 丹沢の山稜は、大きく東丹沢、西丹沢、北丹沢に分けられる。
 東丹沢は、塔ノ岳を中心に比較的やさしい沢や尾根が多い。
 西丹沢(玄倉川や中川流域)は、厳しい登攀の沢や尾根が多い。
 北丹沢は裏丹沢とも呼ばれた神ノ川流域を中心とした厳しい沢や尾根が多い。
 東西丹沢を総称して表丹沢という。

 <1月7日>
 JR小田原駅前のターミナルホテルに前泊。
 7日、小田原駅6時02分発の小田急に乗り秦野駅で下車。
 神奈川中央交通バスに乗り換え登山口の蓑毛に6時45分到着。
 7時蓑毛出発。ヤビツ峠に8時20分到着。
 ヤビツ峠は、バス停やトイレ・駐車場も整備されているので、この峠から登る人か多いようだ。
 ヤビツ峠から富士見山荘までは、県道を少し下りながら30分弱歩くことになる。この時期は、道路が凍結するらしいが、今日はその気配もなく歩きやすかった。
 8時50分富士見山荘前の標識を見て、山道に入る。
 明るい樹林の道を抜けると二の塔に着く。前方が開けてその先に富士山が見えた。一息入れ少し先の三ノ塔に向かう。15分ほどで着く。
 ここは富士山と表縦走路が手に取るように見え絶好の展望地である。この景観を見て疲れも吹っ飛んだ。おにぎりを食べながら休憩する。
 この先、行者岳、鳥尾山、新大日、木ノ叉小屋とぶっ飛ばす。
 クサリのある道もさほど危険ではなかった。
 富士見の本命の山「塔ノ岳」へと急ぐ。
 塔ノ岳から朝焼けの富士が映る」それはスライドショウを見ているような美しい光景だった。
 二ノ塔から15分ほどで三ノ塔に着く。
 説明板には表尾根コース中有数の眺めとある。
 強風が吹き三ノ塔から富士山の雪煙が上がっているのが見えた。気温が上がってきたので、二ノ塔より山の格好が少し崩れていた。
 表縦走路のメイン塔の岳に建つ尊仏山荘まで見える。今夜は、尊仏山荘に泊まる事になるが、恐怖の一夜が待っているとは誰もが想像できなかった。
 右端の白い山は、蛭ケ岳・丹沢山と丹沢の重鎮が顔だす。
 中央の白いが丹沢山も見えるがアップダウンがきつそう。寒いので震えながらおにぎりを食べる。
 10時50分三ノ塔出発。
 本日の行程は、中央の白い丹沢山まで行くことになるので先を急ぐ。
 展望尾根(行者ケ岳・鳥尾山・新大日・木の又小屋)なのでへ休憩なしで歩く。
 
13時30分塔の岳尊仏山荘に到着。
 お昼頃から天候は怪しくなってきた。丹沢山への道は10cm位の積雪あり。
 1時間ほどで丹沢山に到着。
 積雪は20cmほどある。青空もみえたが強風が吹きまくり荒れて来たので早々に立ち去る。
 
16時20分塔ノ岳尊仏山荘に戻る。
  低気圧の通過で恐怖の一夜を過ごすことになった。
 塔ノ岳に建つ尊仏山荘の標高は1491メートル。
 お山のテッペンにポツンと小屋が一つあるだけで周りは遮るものなし、風速40メートルにも達しそうな風が一晩荒れ狂うた。山は地震のように揺れ轟音を轟かす。
 小屋は揺れっぱなしで、ガタガタと悲鳴をあげる。いつ吹っ飛ぶのだろうかと思うと眠れなかった。

 <1月8日>
 富士山の全容を見ることはなかなか難しい。
 富士山の頭だけ裾野だけ見ても興奮するものだ。
 良く考えて見るとそれは一瞬のできごとであったように思う。
 本当に富士山を見たのは、3年前金峰山に登った一回のみである。あの日も強風が吹き風通しが良く富士見に幸いした。
 今日(7日)は、塔ノ岳付近に来ると低気圧の通過で強風が荒れ狂い真っ直ぐに歩けない。
 空は晴れてもこの風では3秒もじっとしていられないのだ。
 富士は見えてもこれでは、条件が良いとも悪いともいえない。

 低気圧が何もかも吹飛び素晴らしい快晴となった。
 相模湾から日の出、朝焼けた富士が刻々と変わる。これほど美しい富士を見たのは初めてだ。
 鍋割山からも素晴らしい富士山が見えた。
 長い山人生の中で最高の感激でした。

蓑毛バス停から歩いてヤビツ峠へ

 蓑毛からヤビツ峠までは、バスで行けるのだが、早朝のため蓑毛止まりのため、ヤビツ峠まで歩くことになる。ヤビツ峠まで1時間20分かかった。

富士見山荘前の県道を渡ると標識あり。富士見橋付近には、数台車が留っていた

 蓑毛からヤビツ峠までは、バスで行けるのだが、早朝のため蓑毛止まりのため、ヤビツ峠まで歩くことになる。ヤビツ峠まで1時間20分かかった。

二ノ塔から見た大山と富士

富士見橋から1時間余で二ノ塔に着く。ここまで来ると視界が開ける。
美しい大山や富士山が顔を出す。思わずバンザイを叫びたいような景観だった。
左、二ノ塔
下、左が大山。右が富士山

三ノ塔

三ノ塔から見た大山と富士
 右上の富士山を12倍ズームで引き寄せる。

鳥尾山

右、鳥尾山に建つ鳥尾山荘。
ゴツゴツした岩肌の縦走路が見える。
左端のコブが、行者岳。

行者岳~新大日の頭~木ノ又小屋

右、木ノ叉から塔ノ岳への道

左、行者岳から新大日への道
中、新大日から木ノ又への道

【塔ノ岳に建つ尊仏山荘

山荘で恐怖の一夜を過ごす。
塔ノ岳に建つ尊仏山荘の標高は1491メートル。お山のテッペンにポツンと小屋が一つあるだけで周りは遮るものなし、風速40メートルにも達しそうな風が一晩荒れ狂った。

塔ノ岳から丹沢山往復

 低気圧の通過で荒れ狂う強風の中稜線を2時間余を突っ走る。写真は、竜の馬場から大山。写真を取り出すのにも労するほど凄い風が吹く。夢中でシャッターを押したが、相模湾まで綺麗に写っていた。

丹沢山で若い女性からハィチーズ

 記念の集合写真を撮ってくれたお姉さん有難うです。山で若い女性と会話することは、滅多にないから嬉しいね。お礼に「いせ人の山応援歌」をーー
「この世に山があ;ればこそ嬉し涙幾たびか親に貰った体一つで登りつづけた気持ち良さ 丹沢だろうと富士山だろうと

1月8日
 今日は、風は治まり何処までも澄んだ青い空が広がる晴天だ。これ以上の良い条件はないだろう。午前6時30分頃。塔ケ岳から大山越しの空は赤く染まる。秒単位でその様は刻々と変わる。天体ショウは神秘的だ。段々とその色を濃くしながら太陽が丸くなって見えてきた。
 反対側(西)を見ると富士が赤く染まっているではないか。いつか見た景観だ。この日もスライドョショウを見ているような光景だ。手袋を脱ぐと冷たい手だ。シャッターを押すには手袋を脱ぐしかない。我慢に我慢をした。

塔ノ岳小屋からの日の出


鍋割山から大倉へ下山する
 周りは我々しか誰もいない。
 鍋割山荘
は、静まりかえっていた。
 雲も見当たらない日本晴。我々だけでこの景観を独占していいんだろうか。

鍋割山からの富士
小屋前に大きな富士山が目の前に現る。
 ここは誰もいない指定席だ。大金を出してもこの席には座れない
 大きな富士が私の前で20分も「お早う」と言ってくれた。


後沢乗越も人気コース
8日は素晴らしい好天気となったので、富士山目当てで鍋割山へ日帰り登山者が大倉から次から次へと登ってきた。
 ここも丹沢の人気コースのようだ。

無事秦野ビジターセンターに到着

12時40分山旅の終点、秦野ビジターセンターへ全員無事到着。
ビジターセンタで、美味しいソバを食べる。