【山記録】
日時・天候  2005年08月02日(火)/晴  
山名 四阿山岳(2332.9m)根子岳(2207m) 
山域 上越
アプローチ 鳥居峠へ駐車し、タクシで戻る。(タクシ料金回送料込み8500円)
コース・タイム 鳥居峠(06:25)一j的岩山分岐(07:25〜35)花童子の宮跡(09:30〜09:40)古永井分岐(09:30〜40)四阿山(11:05〜50)根子岳鞍部(12:40〜50)根子岳(13:45〜14:05)菅平管理事務所(15:25)
総タイム 9時間(休憩ロスタイム130分含む)
距離/ 難易度 沿面距離    km
 人数  いせ山会9人

【足跡】
<前泊、新鹿沢温泉> 
 国道18号線東部町牧家(ぼくや)から県道94号線へ入る。その昔、現在の県道に沿った旧道新張・鹿沢線は「湯道」と呼ばれ山菜採りや入湯のために往来した街道である。緑の木々の中、地蔵峠へ上って行くと旅の安全と安産を祈念して作られた百体観音がたっている。路傍に「百番道しるべ観音」が一列に配置され、数えながら上がるドライブまた楽しい。湯の丸高原地蔵峠は(1799)は明るい広々とした所でスキー場があり、湯の丸山(2099)や篭の登山(2227)への登り口でもある。地蔵峠を下ったところに鹿沢温泉がある。由諸ある名の鹿鳴館に泊まり明日の山行きに備える。

<登山口>
 5時40分宿を出発し、登山口の鳥居峠に向かう。
 県道沿いにキャベツ畑が広がり近くに集荷センターもある。トラツクへの積み込み作業も始まっている。新鹿沢温泉から鳥居峠まで約20分で到着。鳥居峠は、上州を結ぶ交通の要衝。早朝からトラックが凄い音をたて坂道をゆっくりと上ってくる。峠にはトラックも駐車できる大きな広場もあるが、縄が張られていて中に入れず、反対側にある土産物屋の横に駐車料500円と書かれた看板があったので、草むらの荒れ地へ停める、管理人(土産物屋)はまだ来ていないので料金は後で支払うことにした。
 鳥居峠四阿山登山口と書かれた前にゴツゴツした岩に腰掛け、宿でもらったおにぎりを食べる。岩にはコケが生えていて赤い花が咲いていた。6時25分登山口を出発する
 鳥居峠から四阿山へ登るコースは、途中から的岩へ行く道と花童子へ行く道があるが、私たちは宗教登山に使われた花童子コースを歩く。
 ガイドブックによると山頂まで4時間とある。花を見ながらゆっくり歩いて4時間半かかった。
 登山路は、整備され歩きやすい。この四阿山は、太平洋気候と日本海気候がぶつかりあう所に位置しているので、高山の花が多い。
 登山口から山頂まで沢山咲いていた。登る人も少ないのか山が荒れていないのが何よりも良かった。高山の花が満開にもかかわらず、ここで出会った人は高校生運動クラブ5人のみだった。日本百名山とは思えない静かなる山。いつまでも静かなる山であって欲しい。

 朝は雲が多くて遠くは見えなかったが、高度を上げるにつれ浅間高原や的岩の奇岩も雲の隙間から顔を出した。的岩分岐・賽の河原・花童子の宮跡・古永井分岐(花童子と古永井は小屋があり)の周りは、花園で疲れを癒してくれた。
 特に花童子の宮跡は、マツムシ草・アキノキリン草・ウスユキ草・アザミ・ヤナギラン・ショゥマ・オカトラノオハクサンフウロ・ノコン菊・ヤマハギ・ナデシコ・ニッコウキスゲ・ウスユキソウ、赤・紫・白・黄色と咲き乱れ斜面一帯が大規模なお花畑で感動した。
 今まで花の多い白山や伊吹山へも登ったが、これほど花が多いとは予想外だった。
 古永井分岐から少し下り上り返すあたりから樹林を抜けると周囲は大きく開け、露岩と岩屑の急登である。斜面は総てお花畑である。苦しい登りに耐え再び樹林に入るとコメツガの原生林である。
 木の階段を上がると山頂の祠が見えてきた。間もなく菅平から来る道と合流する。そこから頂上までは近い。
 頂上には、石垣に囲まれた祠がある。手前に上州側を向いている上州祠がある。少し先に謂れのありそうな岩穴がある。その先に標高2354mの四阿山の山頂に信州祠があった。信州祠には30人位の人がいた。リフトで上がって来た人たちである。

<四阿山>
 読み方は「あずまややま」と呼ぶ。この難しい山名の由来が、鳥居峠に書かれていた。それによると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征からの帰り、鳥居峠の上に立って東を振り返り、弟橘姫(おとうとたちばなひめ)を偲んで「吾妻はや」と嘆かれた。そこで峠の北に聳える山を吾妻山と名づけた、と言われる。上州の吾妻山は、信州では四阿山と呼ばれる。四阿とは、山の形があずまや(四方の柱だけで、壁がなく、四方葺きおろし屋根の小屋。庭園などの休憩所とする。)の屋根に似ていることから、その名が由来したと言われている。登山路にある休憩小屋も四阿の建物であった。長野上田市付近から四阿山を見ると、頂上が左にやや傾いだ屋根型をしているとか。

<根子岳>
 鞍部から見た根子岳。草原のような山容は日本のダボスと謂われる所以だろう。女性的な柔らかい稜線は美しい。根子岳山頂は丸みを帯びた乳房のような膨らみのある山だった。周りはマツムシソウやマルバダケブキが一面に咲くお花畑だった。菅平へ下りて行くと貴重な高山蝶が乱舞していた。花の百名山の根子岳は、誰もが手軽にいける楽しい山であった。

【新鹿沢温泉に前泊】

左、県道94号線と新鹿沢温泉。
右、鹿鳴館

【鳥居峠へ駐車】

6時25分登山口を出発する。

【的岩分岐】
 真っ直ぐに伸びたカラマツの林道       分岐広場。左、的岩へ                分岐広場。右、花童子へ

【美しい森】

 定規で測ったような植林をした森は美しかった。さらに登るとダケカンバの森に変わる。

【賽の河原】

花の河原で写真を撮るのに忙しい。背景は的岩の稜線が見え展望が開け眺めが良い。下は賽の河原に咲いていた花
    ヨツバヒヨドリ              ヤナギラン              イチヤクソウ            
                                 ウスユキソウ                マツムシソウ   

【花童子の宮跡】

花童子とは、昔の行者の名前らしい。昔は女人禁制の山で女性はここまでしか登れなかったようだ。

花童子の宮跡は、斜面に花一杯に咲いていた。花、花は満開だった。

(中)コウリンカ・(右)キリンソウ
     シュロソウ                 クガイソウ                 イブキボウフウ 
            イブキジャコウソウ                        カワラナデシコ
        イブキフウロ(左と右の区別分からず)                     ハクサンフウロ

【古永井分岐】          
 標高2040m。露岩が点在する。周りはお花畑でマツムシ草が沢山咲いていた。的岩コースとの合流する所。的岩コースから高校生が上がってきた。天然記念物の的岩がある巨岩が城壁のように積まれていたがここへ来るまでにヤブコギがあったとのこと。

右、休憩舎。
左、的岩コースから見た古永井分岐
下、休憩舎付近に咲いていた花
    マルバダケブキ               ハハコグサ                 マツムシソウ
    シロバナニガナ              クルマユリ                    ウスユキソウ    

【四阿山頂】

信州祠。
上州側は雲で見えず。反対側石積みの辺りから雲が切れ、これから登る根子岳が見えた。美しい山に感動した。
 三角点はここから鎖場を下り潅木の尾根を5分も歩くと2332.9mの三角点がある。 

【根子岳への道ー中四阿との分岐】

中四阿への道は、広い河原のようなところで標識がないと通りすぎてしまいそうだ。根子岳へ直進する。この先は急降下の道。左、根子岳

【根子岳への道ー鞍部】→12時40分

 笹の深い道は、四阿山から根子岳まで2.5キロ鞍部は中間になるようだ。この笹の道を抜けると、草原のような明るい場所に出る。

【根子岳への道ー岩場】13時10分

 根子岳は、膨らみのある所(3箇所)は、岩場となっている。

【根子岳】→13時45分

展望の良い根子岳山頂に祠がたつ
ここから菅平らまでは花彩々。