【山記録】
日時・天候 2013年10月11日(金)晴
山名・標高・区分 鷲嶺(しゅうれい)。標高548m。伊勢近辺。
山域 三重伊勢市
交通 県道伊勢南島線からサニー道路へ。横輪道に入り矢持町下村下一郷橋袂に駐車。自宅から約25分。
コースタイム
下一郷橋(10:00)~飛滝口(10:30)~飛滝(10:53-11:10)~谷源流部(12:30)~第三展望台(12:45-13:05)鷲嶺口10分ロス(13:30)~鷲嶺(13:50)~P470(14:10)水穴分岐(14:30)~鷲嶺水穴(14:40-15:00)~林道終点(15:20)~下一郷橋(15:40)
総タイム5時間40分
コースタイム4時間20分程度(休憩40分ロスタイム40分) 
距離/累積高度差 沿面距離10,5km 累積高度+762m -529m
団体名・参加人数 単独

【鷲嶺軌跡・山旅25000図80%縮小】 赤線は登り青線は下り

【足跡】 
 鷲嶺(しゅうれい)、鷲が生息した双頭の嶺。何と響きの良い勇ましい名だ。
 南斜面は、険しく断崖絶壁を形成している。
 宮本武蔵(吉川英治作)が、この絶壁で修行したとある。
 誇り高き山なのだが残念ながらこの山を知る人は少ない。
 
 下一郷橋付近から見た鷲嶺は、ゴツゴツした岩山のような山容である。
 標高548メートル低山ながらアルプスを見ているかのような風格さえ感ずる。素晴らしい眺めだった。
 朝熊山より僅かに低いが伊勢周辺の山では二番目に高い山です。

 山頂一帯は、樹林に覆われ暗いイメージが人を寄せ付けなかった。
 昔は、迷い山。魔の山として恐れられていた。
 近年、登山道(菖蒲~竜ケ峠~仙人下橋)が整備され竜ケ峠にも立派な東屋が建った。
 「三重の百山」本にも鷲嶺が掲載されたので登山者も増えてきた。
 但し、尾根が神宮と境界なので立ち入らないよう要注意です。

 下一郷橋で車を留め駐車地を探していたら、集落の爺さんが来て話しかけられた。
 鷲嶺へ登りたいので車を留める敵地を探していると話す。
 ええ、お前1人で山へ行くのか。心配そうに聞いてきた。
 1人です。初めてとは云いづらいので何度も登っていますから大丈夫ですと答える。
 そうか、それなら行って来い。そこは、わしの土地や車を留めておいていけと了解してもらった。
 
 だが、横輪の飛滝から登るといったら留めさせてはく;れなかっただろう。
 何とか、早く下山しなけりゃ爺さんに心配をかけると妙にアセリやらプレッシャを感じ急いで登山口の横輪へと向かった。

 平家の落ち人が隠れ住んでいたと云われる伝説の飛滝谷を遡行しました。
 ここには、谷底から上部まで耕作地と思われる石積み跡が残っていた。
 また、谷の奥深い所まで窯跡があり平家伝説の証かとも思いました。
 飛滝から先は、大岩越えの谷で荒れ果て人を寄せ付けぬ自然に帰っていた。難路でした。

横輪町の自然と歴史。
 横輪町ってどんなとこ?(いせしま自然村パンプより)
 横輪町は、寒暖の差が激しく、四季を通じて様々な草木を楽しむことができます。
 特に春先は、全国でも横輪町にのみ咲く歴史を秘めた「横輪桜」が雅かな姿を見せます。
 また、ホタルや小川石垣など里山風景も豊富に残されています。
 歴史も古く、その昔、壇ノ浦の合戦(1185)に敗れた平知盛は従者30名を率い一宇郷谷(いちごうたに)一帯に隠れ住み飛滝谷(とびたきたに)へ「飛龍山観音禅寺」(ひりゅうざんかんのんぜんじ)を建立したのが集落の発生といわれています。その後、幾度かの天災に見舞われ今の地に移り住んだといわれてます。

【下山口の矢持町下村に駐車】
上左、
県道から見た矢持町下村集落。橋を左に曲がると鷲嶺や水穴へ行く。
上右、
写真の場所に車を留めさせてもらう。左、
下村林道から見た鷲嶺。下、
下一郷橋と説明板。

【横輪の飛滝1.7km標識から入る】 
 下一郷橋から徒歩18分で飛滝口に到着。
 
 入口で伊勢志摩自然村のスタッフの若い女性2人が何か作業をしていた。

【林道から鷲嶺が見えた】 

 横輪町飛滝道から見た鷲嶺です。
 荒々しい岩嶺とは違って余りにもカッコ良い山なので別山かと思った。
 
 

【コケの生えた林道を奥へと進む】 

上が林道終点。
5台程駐車可能。
この先から山道になる。飛滝まで10分ほど。

【見事に積まれた石垣が多く見受けらた】 

 昔人が農作地として活用した石垣が谷の上部まで見られます。。
 当時は、自給自足で生活していた証です。
 

【飛滝】 
2013.10.11撮影。
 水量が少なく一条で流れ落ちていた。
2012.4.13撮影。
 落差5メートルくらい。二条になって落ちているので滝らしい雰囲気がする。

【飛滝から上流を遡行】 

 踏跡やテープなど何もなし。大岩や大木が前を塞ぐ。  左岸や右岸に渡り歩けそうな川岸を選び進む
 ゴルジュに来ると迂回路を探しながら超えていくしかない。判断ミスで何度かバックし時間をロスしてしまった。

【窯跡】 
 上流近くまで窯跡がいくつもあり。
 こんな厳しい谷合いで昔人は炭焼をしていたのでしょう。
 

【上流部】 
 上に来ると障害物も少なく歩きやすかった。

 鳥獣保護地区の看板が落ちているところに鹿が数匹走っていった。

【第3展望台で昼食をとる】 

【第3展望台反対側の高台から伊勢市街を撮る】 

【鷲嶺入口。ちょっと分かりにくい。通り過ぎてバックする】 

【鷲嶺の山頂】 
 山頂は、鬱蒼とした樹林の中にある。
 ケルンは、鷲嶺のシンボル。50年前には積まれていた。 P548はケルンより少し高いところに位置する。尾根が神宮林との境界。
「鷲嶺」と書かれた古い標識3つあり「火の用心」と書かれた標識は、神宮のお気に入りで外されることはないだろう

【P483・P470分岐】 
左、P483標識
右、
P470ポイント竜ケ峠との分岐。
ここから南尾根に入る。


テープはあるが標識なし。
P470南尾根から鷲嶺水穴まではテープあり。

【P470からの南尾根】 
 南尾根の途中、切れ間から鷲嶺を撮る

 尾根筋は、歩きよかった

【鷲嶺水穴分岐。この標識のところから急斜面を降下する】 

【鷲嶺水穴】 
<説明板から抜粋>
 鷲嶺水穴は秩父古生層に属する。
 レンズ状の石灰岩内に生成されたもの。100万年ないし300万年と推測されている。
 奥行は300mほどあり多くの支線がある。

数メートル入ると暗くて歩けない。

【林道終点】 
林道終点が登山口。
10台位駐車可能。
鷲嶺水穴への道は、案内等整備されているので一般道。水穴から鷲嶺へは、テープはあるが尾根に取りつくまでがトラバースの急斜面でやや難しい。
林道終点から鷲嶺への直登は、宮本武蔵が修行したという断崖絶壁辺りを登る。難路。

【横輪町にある伊勢志摩自然村が10月25日オープン】 
 オープンに向け若い女性ばかり数人が最後の準備をしていました。忙しい中、彼女たちにと話を聞かせて貰いました。
 「森から海へのつなぎ人」とのこと。
 森と海をつなぐ中山間地域の横輪町での体験を通じて森と海の素敵な関係を感じて見ませんか。
 10月25日オープン。TEL 0596-36-1917
 URL http://isesimasizenmura.com/