【山記録】
日時・天候 2006年 03月26日(土) 天候
高山三角点
山名・標高・区分 高山(497.0m)/伊勢近辺
山域 三重・南伊勢町
交通 伊勢市(7:30)
コースタイム
登山口(8:30-45)〜神社(9:15-25)〜主尾根(9:45-55)〜高山(10:25-11:25)〜P349(11:50-12:10)〜登山口(13:15)
総タイム4時間30分
コースタイム 時間  分
距離/累積高度差 沿面距離    km 累積高度+   m −   m(GPSデータ90%の数値)
団体名・参加人数 10人

【足跡】
 高山は、伊勢市から直線で約25キロ余離れた旧南島町(南伊勢町)にある標高497メートルの低山なのだが、ほとんど知られていない。
 サークル仲間に次は「高山へ登る」といったら「岐阜県ですか」と聞かれる始末である。余りにも馬鹿らしいので獅子ケ岳へ登って南島の海の方向を見たら分かるよと云ってやった。
 この高山は、1時間半もあれば楽に上れる山であるが、登山口が良く分からない。やっとのことで見つけた近年発刊されたガイド本も情報が古くて話にならない。せめて調査日ぐらいは掲載して欲しい。
 「高山」へ登りたいので情報を教えて欲しいと南伊勢町役場へ電話する。
 答えは「分からない」ので、地元慥ネ(たしから)の知識人に聞いて欲しいとのことで、区長と消防役員の名前と電話番号紹介してくれた。ご両人から、極シビアな返事が帰って来た。「山へ登ったことがないので登山口は知らない。恐らく猟師くらいしか山へは入らないのではー」との内容である。どうやら高山は、不遇の山(陽の当たらぬ山)らしいことが伝わってきた。
 そこで元職場の先輩に聞くことにした。
 先輩のFさんは、若き頃から伊勢志摩の山を単独で歩き、山地図を独自に編集していた。南勢の山なら、この人に聞けば何とかなる。伊勢愛山会も長老のFさんにはお世話になったことだろう。
 高山へ登った時は、昭和40年代とかなり古い。「伊勢市から南島町慥ネまでバスで行き慥ネ郵便局付近でバスを降りる。近くに西光寺という寺の前を通って尾根沿いに道があり。バス停から45分ほどでハクラクさんという神社に到着。神社まではしっかりとした道があった。」との記述あり。神社の名前を云えば地元の人なら誰でも知っているので、「神社へ行く道と」聞けば良いと教えてもらい下見に出かけた。
 (3月20日下見)
 県道伊勢南島線は、道方トンネルが新らしく開通し、信号もないことから伊勢市から45分ほどで快適に走れる。(松阪方面は伊勢高速玉城icで降り県道65号で伊勢南島線に入る)
 終点の道方からは、国道260号に入り10分ほどで南島町慥ネに着く。この慥ネという町は、海が迫り急陵で狭い土地に家が建つ漁師町である。国道は、一方通行で長い信号で交互するので待たされる。狭く曲がりくねって急坂の酷道は町の人の生活道路でもある。大型バスやダンプも走っているのでとにかく事故が怖い。この町の都市計画は、今も明治時代と変らない。高山が非遇の山となっているのも、この酷道が原因かも知れぬ。慥ネ郵便局の前に信号があり、ここまでが規制区間。どこかへ駐車して西光寺を探そうと思ったが、堤防を超えないとそんなスペースはない。後から車が続いているので、前進あるのみ。信号から先は狭いながらも何とか対向できるが、急カーブの連続した坂を上がる。下りたところが贄浦の海岸である。砂浜の美しい海岸線が贄浦港まで見える絶景である。農協前で停車し、地形図を見ながら検討する。ここへ車を停め探索するのも馬鹿らしい。もっと接近できないものか、再度慥ネに向かって車を走らせる。山側を注意しながら走ると、先端が海に突き出たあたりに、工事用専用道路と書かれた看板が立っていた。入口は、バリーケードでガードされているが、乗用車一台入れるだけのスペースがあったので、中に入る。ダンプが通るのでかなり広い。工事概要が書かれた看板を見たら、国道260号バイパス工事用の進入路と分かった。作業をしている気配もない。奥へ入るとパイパスの道が500メートル位は造成されていて、工事はストップしたままのようだ。高山に伸びる尾根が見える辺りに来て車を停めたら、側に「高山へ」と書かれた標識を見つけた。分からないといえば分からない。分かるといえば分かりやすいところに登山口があった。
(3月26日)
 国道260号バイパスは、工事が中断しているので好きなところへ車を停めらられる。高山の下から山頂まで見える場所へ駐車する。車を駐車させたところが登山口である。
 この付近から支尾根〜P349〜主尾根〜山頂とこれから登るルートが見える。今日は、縦走しないが山頂〜北東尾根が海に落ちる。全体は、扇形をしていてその中心が高山である。見事な釣り合いに好感が持てる。
 高山という字が横向きに書かれたところの畑の横から入る。暫く行くと左側に曲がり急坂少し上がると支尾根に出ると、しっかりとした道になる。右側を上っていくのだが、出会いから少し下った所に展望台のような眺めが良いところがある。バックして登山道に戻る。倒木で木の下を2〜3回下を括ると、間もなくで前に鳥居のあるハクラクさんに到着する。
 ハクラクさとは、稲作を伝えた神のことで、祠を見れば地元の信仰の厚さが伝わってくる。神社の右横から谷の中腹を行く。道は、人が来ないので荒れ気味である。谷の下から犬の鳴き声がする。間もなく3匹姿を現し。こちらに向かって吼えてきたので、笛を吹くと猟師が気が付いたのが方向を変えたようだ、犬の鳴き声は遠ざかる。谷の道を抜けると本尾根と合流する。自然林に変り明るい尾根歩きとなる。ここから山頂まで20ほどで到着するが、最初は緩い道も山頂手前はかなり急登である。少し尾根が広くなっているので下りは注意して降りないと道を間違いやすい。山頂は、木に覆われているが雰囲気が良い。夏も涼しいだろう。開けたところで弁当を広げる。南島大橋や阿曽浦のはまち養殖場や海岸線が箱庭のように見える。入り江は天然の美だった。
  下山は、主尾根の分岐を真っ直ぐ進む。地形図では、この一角の高い地点がP349と思われる。西側に伸びる尾根の端に来たら、周囲の雑木が伐採され明るい広場がありその中央に三角点を示す標石があった。25000の地形図には記されていない新発見だった。ここからの眺めが素晴らしい。伊勢志摩の海と山が360度一望できる。沖合いには浮かぶ白い船、養殖イカダが幾何学的に敷かれた青い海は、高山の新しい魅力の発見であった。

国道260号バイパスから慥ネの町

左、慥ネ浦。山と海が接近している。その空間に家が建つ。海には養殖イカダが並ぶ漁村の町。

【登山口】

左、登山口から見た高山。
右、登山口。

ハクラクサンへの道

 高山の登山口は、分りにくいが、ハクラクサンへ行く道と聞けば、地元の人は教えてくれるだろう。

ハクラクサン

ハクラクサンとは、稲作を伝えた神のことで、祠を見れば地元の信仰の厚さが伝わってくる

【】

ハクラクサンの横からの谷道。少し荒れていた。踏み跡はうすい。

主尾根

左、尾根合流点。
右、山頂手前の尾根。この付近は尾根か゜広いので下りは、要注意である。

高山山頂ー伊勢志摩の海が見える

P349から先にあった新三角点を発見す

新三角点からの展望