【山記録】
日時・天候  2005年05月29日/晴 26℃
山名 美濃平家岳(1450m)・平家岳(1441.5m)
山域 奥美濃
コース・タイム 新深山トンネル西口.(06:00)〜NO41鉄塔三角点(08:15)〜NO41鉄塔(08:57)〜美濃平家岳(09:05)〜非難小屋(09:45)〜面谷道合流(10:23)〜平家岳山頂(10:50〜11:30)〜NO37鉄塔(12:40)〜NO41鉄塔(13:45)〜新深山トンネル西口.(15:4:0)
○総時間 9時間40分(休憩40分程度含む)
距離/ 難易度 沿面距離    km
 人数  19人

【参考図】

【足跡】
 長い尾根道は行けども行けども道遠し以前、山雑誌で福井と岐阜の県境に「平家岳」という魅力的な山があることを知り、この山に登ってみたいという気持ちにさせられた。今春、所属会が奥美濃の板取村から五月に登るという計画を知り、参加させて貰うことになった。この奥深い山の情報を得ようと早々にインタネツトで調べたが、いづれも福井県側からの登頂が多い。岐阜県側から登る人は、美濃平家岳辺りまでか。その奥にある平家岳へ足を伸ばす人のネット情報を見つけることができなかった。
 情報がないのを幸いに福井県側から登る程度と思い込み安易に考えていた。前日、リーダーから資料を貰う。ガイド本に歩行約12時間とある。長いとは聞いていたがこれほど長いとは思わなかった。(今まで歩いた山暦でも12時間は南アルプス一回あるのみ)今更引き下がる訳にはいかない
 早朝出発することから前日に板取村の民宿「ひおき」へ泊る。 夕食時、リーダから貰った「板取川水系の山」美濃平家岳・平家岳の資料に目を通す。
 川浦谷から平家岳へ登る尾根は、広大な地域を占める奥美濃の山の中にあって一つの頂を目指す尾根の登山道(巡視路)としては、最も長い尾根とある。
 登山口から美濃平家岳まで、中電の鉄塔が12本建っており、この鉄塔を目印に巡視路を辿ることになるので先ず迷うことはないとのこと。 しかしながら往復7時間35分(★4ツ・靴4ツ)、その奥にある平家岳までは、往復4時間(★3ツ・靴4ツ)とある。合計で11時間35分の長丁場だ。予想していたより厳しい山に戸惑う。
 リーダから明日の行動について話を聞く。
 登山口へ4時までに戻る予定。それには「12時30分まで歩いた地点でバックする」とのこと。
 リーダのペースに付いて行けない者は、マイペースで歩いて良し。(帰りに合流したら良いので適当な地点で待つべし。)との指示が出る。情報を持たずに来ているのは自分だけだろうか。ここに来ている中高年の人達、凄い健脚の人ばかりのような気がして来た。鈴鹿で何時もご一緒しているTさん・Yさん・Iさんスイスでご一緒したSさんもいたので心強い。総数19名である。圧倒的に女性が多い。ポイントは、12時まで何処まで行けるのか。リーダは、美濃平家岳を一つの目標に判断しているようだが、ここまでは一気に行くようだ。ーーー付いて行けるのだろうか少々心配になってきた。ミーテイングは終了。酒を飲みながらの山談義が続く。話題はつきず気分は、最高に盛り上がる「明日は明日の風が吹くと」午後9時過ぎ床に着いた。
 朝5時起床。民宿が造ってくれたおにぎり三個とお茶を貰い水は1.5リットルをリュックに詰める。朝食はパンとおにぎり一個を食べ、準備完了。車で登山口まで林道を20分ほど走ると、深く刻まれた川浦渓谷の橋を渡り新深山トンネルに入る。ダム工事用に造られたトンネルは、電気が消されヘッドライトの灯りで走る。真暗の長いトンネルは車の音が不気味に聞こえる。トンネルを抜けた所の空地に車を駐める。ドアを開けたらひんやりとした空気が肌を射す。木の一本一本がいかにも深山へ来たもんだなぁという感じがする、腰を下ろして登山靴に履き替え出発の準備をする。

 午前6時ジャスト登山開始。天候は曇り。トンネル西口を出た直ぐ右側に山道があり標識はなし。重いカメラはリュツクにしまい出発。ここから尾根上のNO48鉄塔まで高度差400メートルの急登である。最初からアルプス並みのきつい登りである。1時間ほど上ると鉄塔が見えて来た。苦しかった上りだが全員リーダの後に付くことが出来た。NO48鉄塔で一息を入れる。喉が渇き水分補給すると直ぐ出発。シロヤシオの尾根と呼べるほどシロヤシオが咲き今が見ごろでした。シャクナゲも沢山咲いていて、白と赤の色合いが素晴らしかった。3時間で美濃平家岳への分岐に着く。意識して歩いていないと通り過ぎてしまいそうなところだ。ヤブを掻き分け10分程で頂上に着く。山頂は、ヤブの中で少し切り開いた場所に三角点と名札が懸けてあり展望はない。
 NO37鉄塔からやっと平家岳が近くに見えた。谷を降りて井岸山に上りさらに奥に平家岳までは、まだまだ遠いなあという感じだ。天候が回復し気温も上がり水分を補給する。一旦鞍部に降りると非難小屋が建っている
。大きな建物の中は戸は閉まっていて誰もいない。どうやら中電の巡視員が泊まる小屋らしい。ここから一旦北の方向に迂回して、福井県側の面谷道と合流する辺りから、シャクナゲやカタクリが満開に開いている。井岸山はこんもりした笹山で眺めが良い。井岸山からコルに下り平家岳への道は、カタクリ・ミツバオウレン・ヒメイチゲ・フデリンドウなど沢山咲きスイスの山にでも来ているようだった。先を急ぐ山行のため、写真をじっくり撮ることができず残念だった。平家岳は、足元の谷が深く切れ込んでいて、山から飛び出すように感じ、目の前に広大な奥美濃の山々が広がっていた。独立峰の荒島岳や白山連邦が見えると聞いていたが、霞がかかり良く分からなかった。食事をしていたら地元の板取から来た若い男性二人が上ってきた。我々と同じコースで(美濃平家岳は登らず)4時間要したとのこと
 食事を済ませ、コルの途中で福井県側から来た(女性が多い)中高年10数人と出会う。
ここまで3時間かかったとのこと。岐阜県側から来たといったら、あの長い尾根を良くも来たものねぇと変に感心していた。
 帰りも同じ道を辿るが、1.5リットル持っていた水も途中でなくなりバテバテとなるが、どうにか登山口へ戻ることが出来た。疲れ果てた体を温泉に浸かり疲れを癒した。脱水で体重が何と3キロも減った。こんな経験は初めてだ。リーダは、(板取から)2回も登ることはないと行っていた。私も同感だ。厳しい山だったが、シロヤシオやシャクナゲの魅力は捨てがたい。次回は、福井県側から登りたいものだ。

【登山口の板取村】
 登山口の板取村は、自然が豊かな所につき前日に蕪山へ登り下山してから周囲を散策した。
 国道256号線を板取村へ向かって走ると、道路脇にはスイス村アジサイロード(日本道路百選)という看板が立つ。
温泉風呂があり下山したら疲れを癒すのに絶好の温泉でした。大人600円民宿から利用券を貰った。

右、民宿日置。新築したばかりで山菜や川魚の料理が出きる。

【登山口】

 新深山トンネル西口。
 堰の左中央から巡視路が続いている。

【45号鉄塔】

 65鉄塔から見た、44号・43号・42号41号鉄を見る。奥が美濃平家岳?

【シロヤシオの尾根】】

 この尾根は、シロヤシオ尾根とも云うべきか。こんなに多いシロヤシオを見たのははじめてだ。

【40鉄塔】

 平家岳と井岸山が見えた(左)
あそこまで遠いなぁ

【美濃平家岳】

 美濃平家岳(1450m)はヤブのなかで視界はない。鉄塔が2本建っていた。
 左写真の中央が、美濃平家岳。

【38鉄塔】

 38鉄塔は、広広としたところで眺めが良い。平家岳と美濃平家岳が見えた。帰路は、ここまで来るのが大変です。戻るのに4時間近くかかるとはトホトホです。

【井岸山】
 平家岳から見た井岸山。始めここが平家岳かとやれやれと思ったら後ろに美しい山が見えた。
ウム、マイッタナァ。

【平家岳】
 憧れの平家岳に来たぞ。
 この道筋には花が一杯咲いていた。。フデリンドウ・カタクリも可愛いい。知らない花も沢山ある。帰りの都合で止まれない。

【山頂からの展望】
 福井県側の山。登山路も確認できる。
 福井県側の山。
 福井県側の山。

【花】

板取村散策その1連帯の丘公園(21世紀公園)】

岐阜方面から来ると、板取中学校を右折れすると、連帯の丘公園の駐車場がある。駐車場に案内板あり。ここから21世紀公園の蕪山自然観察道へ続いている。
 巨大株杉が集団で自生している。説明書きによると株の上に成立する幹の平均は6本多いもので20本とか。株の直径が1メートルを越えるものが約30株あり樹齢は推定400〜500年。株杉は全国的にも唯一この地域に見受けられるとのことです。

板取村散策その2→川浦渓谷】

板取村散策その3→蕪山】

 標高1068.9メートル。山頂から白山(右)が見えた。
 奥牧谷から上がり尾根道を歩いて野鳥の森コースへ下山した。