【山記録】
日時・天候  2005年06月04日/晴 26℃ 
山名 龍王山(586m)
山域 奈良県天理市
コース・タイム 長岳寺(09:15)竜王山(10:45〜11:50)崇神天皇稜(13:00)長岳寺(13:20〜14:00)
総タイム4時間(休憩60分程度含む)
距離/ 難易度 沿面距離    km
人数  いせ山の会12人

【足跡】
 竜王山は、展望の良い山城跡。中腹は、古墳が点在。麓は、古刹の長浜寺あり歴史を辿る山である。
 午前6時伊勢市出発。
 伊勢道から西名阪道を経て天理市へ。国道166号線を南(桜井)へ20分ほど走ると柳本。
 道路沿いにある案内板「長岳寺へ左折れ」を見て、曲がると登山口となる長岳寺は近い。
 伊勢から3時間弱要した。長岳寺の隣にある天理トレイルセンターへ駐車。このセンターは、古都らしい斬新なデザインの建物で、山辺の道を歩く人のために出来た休養施設で、おにぎりを食べている人もいた。ここで龍王山イラストマップを貰い、長岳寺の山門を潜り参道へ進み奥の院手前の里道を左折れ、次の交差地(看板はあるが木の枝に隠れて見にくい)で、右折れすると山道へと続いている。
 少し戻ったところに野仏が並んでいる。万葉集に出て来るかの有名な柿本人麻呂の歌碑がひっそりと立っている。「衾道を引手の山に妹を置きて山路を行けば生けりともなし」人麻呂が妻を葬った引手の山とは龍王山のこと。古墳群の中の一つが彼女の墓だったのだろうか。
 軽トラが入る程度の里道を行くと剪定された柿の木畑が出てきた。富有柿のようだ。葉が大きくて青々として良く手入れがなされている。道端には可愛いお地蔵さんが並んでいる。万葉の道らしい景観だ。道が狭まり山道に変わる。U字谷にえぐられた坂道を登っていくと、、左に不動明王石像を見て尾根上に出る。 
 奥の院への道を右に見て間もなく天理ダムから上がってきている林道に出会う。
 ここは交差路で明るい小広場でトイレや案内板も立つ。右は崇神ルート(帰路の道)左はダムルート(少し先に北城跡がある)正面が南城跡の龍王山である。すぐ側に田龍神社が見える。雨乞いをした神社である。林道を上がって行くと、左側に小規模の駐車場がある。車で来た人は、これから歩くことになる。入り口に案内板が立つ。右上の山道を上がっていくと竜王神社がある。
 竜王神社は、竜王社が祭られ(田龍神社)と同様雨乞いの儀式が行われたとのこと。鈴鹿の竜王も雨乞いと聞いていたが、竜王さんは雨の神様のようだ。ここから左の階段を上がると龍王山の山頂に出る。
 長岳寺からゆっくり歩いて山頂まで1時間30分要した。
 山頂から北に天理から奈良市街が一望できるのだが、今日は霞で遠くは見えない。
 澄んだ日には大和三山や金剛山・生駒山の絶景が見えるとか。
 近くの耳成山や畝傍山がぼんやりと見える。小さな丸みのある山を上から見るとなんとも格好が良かった。 
 イラストマップによる龍王山の説明文を見る。
 ここは、「奈良盆地と大和高原の要塞の地で、中世の豪族、十市氏が築いた大和を代表する山城の跡で天文年間(1532〜55)十市遠忠が処を構え十市城とも呼ぶ。のち松永・秋山氏が入城、織田信長に廃された。山頂付近は、南城跡。その北尾根が北城跡で、本丸・堅堀・石垣などの遺構が残る。城跡から奈良盆地や金剛生駒連山を眺めると中世の武将気分になれるとか」
 帰路は、崇神ルートを下る。長岳寺奥の院に向かうが、倒木で遮られ奥の院には行けず、手前の不動明王像(鎌倉時代)や石仏を確認す、石仏に書かれている字は読みづらい。少しバツクして緩い下り道を行くと、多数の古墳群がある。
 
 資料によると龍王山の西斜面、標高150mから450mに点在し、円墳と横穴が300基併せて600基に及ぶ、珍しいのは横穴で、崖や山腹など自然地形をそのまま利用していて、さながらお墓の団地のように存在し6世紀〜8世紀のにかけての古墳と云われるるが、調査はほとんど行われていない奈良県最大の規模とある。
 下る道で累々と残る、円墳と横穴群30基ほど静かに眠っているのを見て、中世の人たちの遺物を偲んで合掌した。
 なだらかな下り道を行くと不動の滝がある。
 滝に打たれて修行する小滝で、周りは舞台が整っていた。更に下ると崇神天皇稜に出る。この付近は万葉の道らしい雰囲気でトイレや案内板もあり、若いハイカー達に出会う。案内板に従って歩く。ここから長岳寺は近い。 

【登山口への道】

 長岳寺奥の院手前から左へ曲がるとの里道に出る。
左、写真の木の中に標識があるが分かりにくい。右、柿の木畑の中を歩く。

左、案内板。
右、里道にある野仏。

【登山口】

左、入り口から間もなく階段の道を行く。
右、登山口。里道から山の道へと入る。

【尾根に出ると林道】

左、田龍王社
右、林道との別れ道。案内板の所から上がる。
下、ナルコユリ。

【龍王山頂】

左、山頂からの展望。
右、南城跡

【長岳寺奥の院】
不動明王像(鎌倉時代の作)

【古墳ー円墳】

【古墳ー横穴】

【不動の滝】

左、不動滝。
右、宝輝院。

【崇神天皇稜】


【万葉の道】


【長岳寺】
上左、
長岳寺山門
上右、
長岳寺金楼門

左、
長岳寺山門前。
 天長元年(824)淳和天皇の勅願により弘法大師が、大和神社の神宮寺として創建された

放生池と本堂