【山記録】
日時・天候  2005年 02月26日(土)/晴    
山名 姫超山(502.9m)
山域・区分 紀勢町/伊勢近辺
コース・タイム 伊勢市(6:00)〜日の出公園(07:45)〜北登山口(08:10-15)〜姫越山(10:00-55)〜前姫越山(11:10)〜親水公園(12:30)〜日の出公園(12:50)
総時間4時間50分歩行時間 3時間50分
距離/ 難易度 沿面距離    km
 人数  11人 

【足跡】
 姫越山は、芦浜原発で揺れた南島町と紀勢町に接する標高503メートルの山。ウバメガシが多く植生し、冬場に登るのがベストだ。頂上からは、錦湾と熊野灘の大海原が広がり、気分爽快心にしてくれた。年に一度は登って見たい山だ。
 伊勢市から姫越山の登山口紀勢町錦へ行くには、R42号から入るのが一般的だが、R260号から錦へ入る道は難路で通る車も少なかったが、待望の錦トンネルも開通し、大幅に時間が短縮されたので、この道で紀勢町錦へ行くことにした。
 伊勢市を6時出発。県道伊勢南島線で能見坂トンネルを経て、道方でR260号に入る。道方から棚橋までは狭い所もあるが、リアス式海岸線沿いに道が付けられ、単調なR42号よりもこちらの方が退屈はしないだろう。錦トンネルは、厳しい地形でさぞ難工事であったのではないかと思わせる。トンネルを抜けると一気に錦湾へ飛び込むように下って行く。目の前に錦湾と錦大橋が見えてくる。橋を渡る手前に大きな墓地に隣接した日の出公園がある。
 道路沿いに「海抜7.7m」と書かれた看板が立っている。頭に丸い時計の付いたモニュメント風の看板は錦の表玄関らしい風情がある。
 日の出公園は、道路を挟んで、町営駐車場とトイレがあり、トイレのある所は、バス停で庭園風の待合所にベンチが置かれていた。車は、墓地の隣にある広場に駐車する。乗用車なら20台位は楽に駐車出来そうだ。
 この駐車場に7時45分に着いた。伊勢から1時間45分だが、途中、寄り道をしていたので、1時間30分程度である。このタイムは、、R42号からから来るより(2時間程度なので)かなり早い。
 日の出公園から、姫越山へ登る尾根が見える。尾根の一番高い山が山頂のように見えるのだが、山頂は奥くにあり、ここからは見えない。この付近10年前に来た時とは随分変っていた。なにしろ錦の街は、海抜数メートルしかなく海にも近く津波の被害を蒙りやすいので、避難所が多く出来ていた。
 橋の手前から右岸沿いに歩いて10分ほどで、北登山口に着く。

 入口には「姫塚山道」の石碑と「姫塚伝説」の説明書きがある。
 この北登山口も避難場所の一つで、階段を上がったところは白いコンクリートの避難所がある。「海抜30m」との表示あり、この避難所を通りこの上から山道となる。海抜数メートルから登らなければならないので、けして楽な山ではない。入口に「妙姫大明神・甚六明神」の祠があり、ウバメガシの樹林帯の中へ入っていく。最初から急登の連続である。
 20分も歩くと錦湾が見えるところで休憩する。
 上空からはチラチラと小雪が舞ってきた。伊勢より南にある錦に雪が降ろうとは想像もしていなかった。  ここは樹林帯の中なので風弱く寒さもたいしたことはない。斜面が緩くなり、北斜面に周り込むと、シダ植物が覆う山道となる。枯葉の積もった道は冬山らしいが冷たい風が吹きにわかに騒がしくなった。
 日の当らない寂しい場所に石が積まれた「爺ケ塚」がある。

 姫を追ってきた爺が、ここで果てた場所なのだ。ピーク459を巻きながら尾根に出ると、露岩が点在する岩の上に薄っすらと白いものが点在するこれは雪だ。
 芦浜峠への分岐を過ぎると間もなく姫塚がある。登山口に書かれていた説明板によると、
  「昔、一人の老武士を従えた山路を急ぐ姫がいた。長旅で疲れ果てた姫は峠で一歩も動けなくなった。  驚いたお供の老武士が姫に水をと急ぎ谷に下り水を汲んで戻ってきたが、すでに息絶えていたという。老武士はもはやこれまでと姫の後を追った。
 この姫は木曾義仲の娘とも北畠一族の娘とも伝えられている。  
 後に里人は、この山を姫越山と呼ぶようになった。」との非話伝説。 
 落人のお姫さんが行き倒れしたことから、山名が付いたとの由来。それにしても姫は、この深山を越え何処へ行こうとしたのかなぁ。お姫さんの墓に合唱する。

 姫塚から10分で山頂に到着する。
 太陽も時々顔を出し青空も少し見える。山頂は少し下まで伐採されとても眺めが良いが、冷たい北風が吹くので少し前(海側)に出ると風もあたらず温いので昼食。正前に錦湾南の方向に紀伊長島から尾鷲方面の海岸線が美しい。でっかい熊野灘は、灰色でキラキラと輝くいている。青い熊野灘を見てみたいものだ。扇の形をした芦浜に打ち寄せる白い波が美しい。
 今回は、帰りの時間を急いだので最短距離ルート(前姫越から錦峠手前の分岐から親水公園へ下りたが、次回は白波洗う芦浜の海岸線をぜひ歩いて見たい。

【日の出公園】

左、
姫越山案内板。
右、
橋を渡り錦町日の出公園へ。

【北登山口】
 日の出公園は、海抜7.7なのでほぼ山の高さだけ登る。尾根の一番下の所が登山口で公園の横を川沿いに歩いて、次の橋を渡ると北登山口のところに着く。歩いて7分。姫越山の山頂は、一番高い山の奥にありここからは見えない。

【避難所と妙姫大明神】
上左、
妙姫大明神

上右、
非難所へ上がる道、

左、
海抜30mの避難所。
 ここを通り道が上へ行くと、山道となり、傍らに「妙姫大明神が建つ。

【ウバメガシ】

 登山道は、ウバメガシ(錦町の木)に覆われ展望はきかない。急坂を登っていくと展望台に着くが上空は、小雪がパラついてきた。

【展望台】
 20分も登ると展望台に着く。錦湾がきれいに見えた。

【北尾根】

北尾根に周ると雑木が多くシダの植物に覆われている。少し風がありざわざわしていた。

【侍(爺ケ)塚】

 谷へ下りて行けそうな所に爺ケ塚があるそれにしても暗い寂しい所だ。
 墓標の裏に錦牛歩会献納と書かれていた。

【姫塚】

 芦浜への分岐を過ぎると暫くで姫塚に到着登山路を塞がんばかりに岩が積まれていた。大きな岩は墓石か。

【姫越山頂】
 山頂直下に芦浜海岸。
 原発で揺れた錦湾がとてもきれいでした。

【山頂から錦峠への尾根】
 前ヒメゴから錦峠への尾根筋。
 この尾根の途中から下山した。

【復路ー前姫越山へ】


 前姫越山へ行く道は、雑木でヤブツバキが多い。

 前姫越のピーク。木の隙間の向こうに写っているのが、姫越山。

【錦峠へ】

錦峠への尾根は、急坂急下降が続く。

【錦町の町並みが見えた】

上右、
中電の磁石計。

左、
谷間から見た錦の町並み。
 この谷の少し先の分岐から親水公園へ下りる。錦へのショートカット道だが、登山道は余りよくない。

【親水公園へ下山】

ヤブツバキが多い。上へ行くほど道は悪い。
親水公園へ下山する。公園の上は砂防堤がある。

【集合写真】