【山記録】
日時・天候 2020年03月03日(火)・晴 
山名・山域(整理区分)  神出の峰(572m)・度会町(伊勢近辺)
交通・駐車地等 伊勢方面から県道22号線伊勢南島線小萩で右折れ10分で地蔵尊前広場へ
コース・タイム
探索・撮影などマイペース歩きで標準タイムより遅い)
自宅(6:20)~地蔵尊前広場(07:15-07:26)~山の神・林道口(07:37)~林道離れる(08:10-15)~林道終点出会い(08:40-45)~脇出(08:55-09:05)~P421(09:55-10:05)~神出南峰(11:05-10)~神出の峰(11:35-50)~東のコル昼食・探索(12:30-13:35)~P320探索(14:20-40)~尾根分岐(14:50)~東尾根登山口(15:35)~地蔵尊前広場(15:50)
総タイム8時02分(休憩・探索・写真タイム凡そ120分程度含む)
距離/累積高低差 沿面距離8.7km。 累積高低差+1269m。-1182m。
人数/登山レペル 単独/中級者向き 

【国土地理院25000図・軌跡ログ  軌跡のダウンロードはここをクックして下さい。(拡張子はGPX)

【カシミール3D・鳥瞰図

【カシミール3D・標高グラフ図】


【足跡】
<2019年9月10日の山記録>
 三重県度会町の周囲は、標高200m~700mの山に囲まれた穏やかな気候の小さな山村である。
 2016年度会町は、「わたらいセブンマウンテン」と7つの山を指定し整備してきた。
 この度、完成したとの記事が2019年8月伊勢新聞に掲載された。
 セブンマウンテンとは、
 ①国束山②牛草山③神岳④神出の峰⑤倭の姫山⑥釈迦岳⑦七洞岳とある。
 それにしても、度会の名峰・獅子ケ岳が外れているのがとても気になる。
 現況、風力発電の風車が多く設置され登山路は制限されいることと関連するのか。

 今回は、未踏の「神出の峰(かんでのみね)」へ挑戦することにした。
 「神出の峰は、伊勢新聞を見て初めて知った。
 近くの山なのに聞いたこともない。何処にあるのだろうかと興味深々となった。
 新聞には、度会町とあるが国土地理院の地図を見ても山名などない。
 地元の山案内本(福井敦美著)にもこの神出の峰の記事が見あたらない。
 先ず、福井本に掲載されていない山などあり得ないのが常識である。
 また、三重県の奥深い山でも見受ける「いせ青木」の山名プレイトもなかった。
 この山は、本当に存在するのか。神隠しの山か。確認する必要ででかけた。、

<情報不足で大失敗>
 神出の峰は、獅子ケ岳前衛の山。
 里山なので、朝熊山へ登る程度の装備のほか25000地図・コンパス・GPS・水2ℓを持参した。
 結果は、思いもせぬ厳しい試練が待っていた。
 神出の峰南峰付近で、15時と遅いのでショートカットコースを検討する。
 即ち、神出南峰から東尾根をダイレクとに降り林道登山口へ下山しようかと考えた。
 ポケットに手を入れたが、地図がない。何度も出し入れをしていたので何処かで落としたようだ。
 もう少し時間があれば、強行突破できると思うが東斜面になるので暗くなるのも早い。暗くなると動けぬ。
 やむ得ず、安全な尾根ルート(長距離)を行くことにした。
 その結果、
 復路の小萩コース(南峰~脇出間)で、数回違う尾根に入りバックする。
 GPSは、現在地は確認できるが進行方向となると角度を正確にコントロールしにくい。
 (深山や谷間に来るとGPSは、衛星を捉える状態が悪くなりブレを起こす)
 正確さでは、25000地図にはかなわない。
 GPSと地形図は、人間でいえば両眼である。片目では視界が狭く正確さに欠ける。
 16時P471峰着。
 ツルベ落としの太陽を気にしながらあせりにあせった。
 オボコ山東峰付近で暗くなりヘッドライトを点けた。
 通常なら、山中でリバーグするところなのだが、
 1週間前、カゲの高からこの付近まで探索に来たのでルートは分かっていたのでカメ歩きで進む。
 尾根分岐までは、何とか歩けた。

 最後の難関は、尾根からトラバースの下りである。
 GPSでルートを確認するが登山道からズレ何度も転倒し、木にしがみ付いて降りる。
 距離が短かったのが幸いした。
 20分ほどで、谷水の音が聞こえてきた。
 水は、2ℓ持っていたがオボコ山東峰付近で底をついていた。
 チョロチョロと流れる水をガブ飲みをする。
 林道へ出ても安心は出来ぬヘツドライトが頼りである。
 何とか、駐車場まで持った。早速、スマホで家へ連絡した。
 前半も後半も道を間違いさ迷い歩いたので、累積標高は2000mを超えていた。通常なら1000m程度か。
 ライトとGPSどちらかの電池が切れれば万事休すだったが、19時30分駐車場に何とか辿りついた。

 わたらいセブンマウンテンの一つ神出の山。
 デビュー(整備されてから)間もないので、この山を知る人は少ない。
 平凡な低山か思いきゃ、全然違っていました。
 三重県南部にはない岩山で大変個性ある山でした。
 周回コースは、道が分かりにくい神隠しの山に相当する。
 七洞岳や獅子ケ岳(度会町を代表する山)とは、違った玄人向きの山でした。
 但し、蛭の多い山なので対策が必要です。

<前書き>
 前回は、神隠しの山を確認する必要ででかけたが、情報不足で夜間登山となってしまった。
 亀歩きでなんとか駐車地に戻ることができたが、里山という甘い考えで登ることは許されませんでした。
 この神出の峰は、登っている人が余りにも少なく情報を得るには自分の足で調べるしかりません。
 カルスト地形でヤセた岩尾根と変化に富んでいます。
 ヤセ尾根は高度感がないので怖いという感じはありませんが危険と背中合わせです。
 また、絶景ポイントでもあります。
 周回となると山経験がある人でも何度か間違いそうな複雑な地形もあります。
 自然林が多く特色のある山で魅力一杯です。
 今回は、先の経験を得て慎重に計画をたて逆コースからの挑戦です。探索にも時間をとりました。

<今回のレポ>
 ●脇出(430.3m)北尾根
  今回は、山の神から南に伸びる林道奥から脇出(430.3m)北尾根に取り付く。
  尾根筋は、ヤブで急登だが比較的登りやすい。
  山の神から脇出まで40分かかった(健脚の人なら30分位)。
  上部に来ると、林道とも遭遇した。この尾根との接点が林道終点となっていた。ここからだと10分で脇出に着いた。
  エスケープコースとして使えることが分かった。
 脇出~オボコ西峰
  この区間、岩のヤセ尾根で展望が良い。
  眼下には、度会の集落や南伊勢町の海が見えてた。
  正面は、栃谷山・七洞岳・獅子ケ岳、後方には大紀・大台の山も確認できた。
  風車が躍る獅子の下に精悍な神出の峰が見えた。(トップ写真)
  背が低いのが残念だが、堂々たる山容に感動した。
 P421~神出南峰 
  P421付近は、尾根が四方に伸び分かりにくい。
  注意しなきゃと思いながらも道なりに行くと川上道へ入っていた。
  事前にコンパスで確認しなきゃいけないところです。
  その他ピークの尾根が幾つもあり間違いやすい。
  黄テープはあるが、ポイントに付けられていないものあり要注意。
 神出南峰~東尾根
  前回は、テープや標識が少なく山頂へのアタックにも探索を要した。
  東尾根コースは、分かりにくいとの声が届いたのか。
  今回は、長めの赤テープが木の枝からぶら下がっていた。新たに設置された。
  岩の赤丸印ペンキマークも増強され上から見ても下から見ても分かりやすくなった。
  ここは、カルスト地形なので安全に歩けることが重要かと思う。
 東尾根~登山口
  標識・テープ道を忠実に降りてきたが、パンフの絵図のルートとは多少違っていた。
  絵図より急勾配(標高差240m)で、ほぼ直登です。
  地面は、軟弱(踏み固まっていない)で滑りやすい。
  ロープは、数か所設置されていたが下りは要注意です。
  その他、分岐からP320へ。小萩川下流に伸びる尾根(南方向)を探索にいった。

【駐車地】
上左
県道から小萩道に入る。

上右、
小萩公民館
左に曲がる。

左、
公民館から見た縦走路。

下、
地蔵尊。
前の広場に駐車する。

【林道口ー7時37分】
上左、
林道の奥に放置されたマイクロバス。

上右、
林道終点にある山の神。

左、
林道日影線終点、ここは三差路で山の神あり。
左の林道を行く。ここが登山口ということになる。

下、
林道を歩く。

【脇出に伸びている尾根に取り付く】
上、
山の神から林道を歩いて脇出北尾根上部で林道を離れる。

左、
脇出北尾根に取り付く。

下、
北尾根。
ヤブ尾根だが、何とか歩ける。


【尾根筋近くまで林道が来ていることが分かった】

左、
北尾根上部に来ると、林道が上がってきている。ここが終点です。

下、
地形図には4本の林道があるが、どの林道に接続しているか不明

【脇出ー8時55分】
上、
脇出標識。
別名、オボコ山430.5m
という標識もあり。

左、
脇出。

下、
 集落が見えた。脇出でしょうか。

【ヤセた岩場】
 高度感はないが、ヤセた岩場で滑落注意。

【岩場からの大展望】
上左、
集落が見える。脇出でしょうか。

上右、
ヤセた岩コブが続く。

下、
七洞岳から栃谷山。

次の下、
獅子ケ岳の下に神出の峰。

【岩場から北方向にある山をカシバートで見る】

【オボコ西峰ー9時30分】
上左、
西峰登る手前の道。

上右、
西峰下り道



左、
オボコ西峰。

【P471ー9時55分】
上、
P471へ行く手前は、川上道との分岐。
川上道に入り間違い10分ほどロス。

左、
P471。

【標高381mと481m】
左、
P421mから下ってきた鞍部

下、
標高461m。
ここから登り切ったとこが神出南峰。

【神出南峰-11時05分】
 南峰は、樹林の中で展望なし。平凡な山です。

【神出峰手前の分岐に注意】
神出の峰は、岩峰で登山道を外すと登頂は難しい。神出南峰から来ると山頂直下に巻道がある。
前回(2019年9月)来たときは、何処から山頂にアタックするか良く分からなかった。
今回は、長い赤テープと標識が新たに設置され(上右)迷うことはありません。

【神出の峰ー11時41分】
左、
 神出の峰山頂。
 山頂は、岩稜に覆われ精悍な雰囲気がとても良い。
 三重県南部では、見かけない特色ある山です。

下、
山頂からの展望。
右から、七洞岳~栃谷山の景観が素晴らしい。

 

【復路は、東尾根コースを行く】
分岐。
復路は、東尾根道コースをとる。

【カルフェントの岩道下る】
 里山の低山ながらこの岩尾根は、南アルプスでも歩いてような感覚にもなる。

 前回は、マーカを探しながら歩いたが
 今回は、赤の長テープやペンキの赤マークが新たに整備されていた。上から見ても下から見てもわかりやすい。
 これで、初登山者でも迷うことなく歩けるようになったと思う。
 

【東のコルで昼食ー12時40分】
左、
東のコルで昼食。
マップには、林道コース登山口まで20分とある。
 yamapwの記録を見ると迷いに迷ったと書かれていたので探索に出かけた。
 テープ見当たらず15分ロス。
 

【カルスト地形の東尾根】
 東尾根も、新しい長い赤テープが木に巻き付けられ岩場のペンキマーカも充実されたようだ。
 以前あった黄色のテープなどを含めると過剰とも思えるが岩場なのでこれで良いと思う。

 赤テープは、ぶら下がり状態で分かりやすいが、風に飛ばされないか気になる

【伐採地に出る】
間伐で周囲が明るく見通しが良い。

【尾根分岐ー東尾根登山口】
上左、
尾根分岐。
上右、
ゲキ下りでロープが何か所も設置されている。
左、
軌跡図。
地蔵尊に伸びる尾根P320まで探索に行く。
20分ロス。
登山口まで、標高差240m。直登に近い。足場は軟弱で滑りやすい。下りは、杖は、使わない方が無難。
 

【東尾根コース登山口】
 赤テープあるところに東尾根登山口の標識あり。
 真っすぐ林道を進むと林道終点登山口がある。