【山記録】 
     高見山山頂
日時・天候 2013年02月08日(金)
山名 高見山(1248.3m)
山域 台高
コースタイム
自宅(6時10分)~高見トンネル(08:05)~杉谷駐車地(08;10-8:30)

杉谷登山口(8:35)~小峠アイゼン装着(9;20-9:50)~平野道分岐(10:10)~   高見山(11:50-1345)~平野道分岐(14:43)~杉谷登山口(15::55)~駐車地    (16:00)

 総タイム7時間25分実タイム登り約3時間下り2時間0分
距離/累積高度差 沿面距離 キロメートル
累積高度差(+m -m)
メンバー 2人

【足跡】
 古き山友から高見山の樹氷を見たいので付き合ってほしいとの電話があり承諾した。
 今年になって二度目の高見山行である。山友とは10年ぶりの登山である。
 当日は、予想もしていなかった大寒波で思いもかけぬ素晴らしい樹氷が見られた。

 三重県側のR166号線は、雪もなく順調に走れた。
 飯高森に設置されている温度計はー1℃を示していた。
 飯高町奥のトンネルを抜けると道路にチラホラと雪が見られた。
 高見のループの坂にさしかかると急速に天気が怪しくなり辺りは見る見るうちに白くなる。
 高見トンネル(奈良県側)を出ると雪国に変わっていた。
 トンネルを出たところにある温度計は-7℃を表示し緊張がはしる。
 8時10分杉谷バス停付近の広場に到着。台風並みの風と雪が舞い荒れてきた。 
  R166号線を走る車は、1台もなく高見越えは通行止めになるのではないかとの不安がよぎる。 
 駐車地で20分ほど様子を見ていたが、午後から晴れとの予想を信じ決行した。

 <吹雪の行軍>
 10時~13時頃、高見山の天気は激しく変わった。
 登りは、猛吹雪の中を突き進む。アイゼンは小峠の先で装着した。
 相方がアイゼンの点検をしてこなかったので装着に30分も要した。
 凍結した紐が絡んで解すのに手間取った。
 平野道分岐を過ぎると、雪煙が舞う。
 トレスも完全に消えていた。
 顔に雪が当たると痛いので下を見て歩いていたら、この先の尾根二股で、右の尾根に入ってしまった。
 50m先で気が付きバックするお粗末。
 知り尽くしたルートでも雪は何もかも消してしまうので、油断大敵である。

 国見岩付近に来ると、風速25mほどの猛吹雪で立往生する。
 幸いにも深雪ではないので足元はしっかりと踏ん張れる。
 周りの木は、樹氷がぴっしりと付き墨絵のような見事な景観である。

 笛吹岩の先端に来ると、台高の山が見える。
 山中央部から上は怪しげな雪雲が走る。
 白い色黒い色と次々に変化し現れる。
 ゴオーとゴオーと山は哭く。まるで地獄絵をみているかのようだ。

 猛吹雪のなか山頂小屋に到着。
 10人程の人がいて食事中である。
 皆さんこの厳しい高見山に来られて感激の様子である。
 寒さを堪えてこの一瞬を何とか記録に残そうと、樹氷や展望台からの撮影をするのに出たり入ったりしていた。
 我々も寒いので早く退散する予定であったが、食事を済ませると空が急に明るくなってきたので暫く様子を見ることにした。
 20mを越す強風はあっという間に青空が顔をだす。
 5分もするとまた鉛色の雲がやって来る。
 青空の間になんとか樹氷を撮ろうと構える。
 結局、90分も山頂に居座った。
 吹雪の「高見山雪中行軍」は、長く記憶に残るだろう。

【軌跡図】

【杉谷登山口付近】
 午前8時過ぎ、R166号線杉谷付近は、天気が急激に変化し雪道となる。
 通る車もなく高見越えは、通行止めになるのではないかと思った。
 帰りは近くのホテルへ泊まることも一瞬頭によぎった。
 今日の天気は、午後から晴れとの予報を信じ20分遅れで登山口を出た。

 上、R166号駐車地付近とバス停付近。
 

 左、杉谷登山口に貼られている高見山周辺通行規制図。

 下、駐車地から歩いて数分で杉谷登山口へ。
 少し上がると杉谷集落は雪に埋もれていた。

【旧南伊勢街道】

 アイゼンを付けなくても滑ることもなく歩けた。
 積雪は数センチと少ない。

木が伐採された地点から望む】

 雲ケ瀬山方面の山並みが見えた。

【谷道が崩れ直ぐ上にできた迂回道】
 美しいヒノキの森を抜けると小峠だ。
 登山口からトレスが付いていないので誰も歩いた形跡はない。

【小峠】

 小峠の階段を上がったところでアイゼンを装着した。
 相棒は、久しぶりの雪山でアイゼンの点検をしていなかったことから、
 紐が絡んで装着に手間取る。
 30分のロスをしてしまった
 

【平野道との分岐】

 平野道分岐を過ぎると、雪煙が舞う。
 トレスも完全に消えていた。
 顔に雪が当たると痛いので下を見て歩いていたら、この先の尾根二股で、右の尾根に入ってしまった。
 50m先で気が付きバックするお粗末。
 知り尽くしたルートでも雪は何もかも消してしまうので、油断大敵である。

【国見岩】
 上、国見岩に来たら「たかすみ温泉」から登ってきた中年夫婦に追い越された。
 この辺りからますます山は荒れてきた。

【尾根道は、黒と白の世界。】
 雪が舞う。
 固く張り付いた樹氷はトゲのように鋭い。 登山道も氷が固く締まっている。8本爪のアイゼンもしっかり大地を掴む。
 高度があがっても積雪量は、15cm位と以外にも少ない。お隣の三峰山とはかなり違う。ワカンも持ってきたが出る幕なし。
 
 

【国見岩】

 笛吹岩の先端に出ると、台高の山々の大パノラマが展開する。今日は、何時もと違った顔をしていた。
 雪雲が空を覆い雲の動きが凄く早い。
 黒くなったり白くなったり時折り雷光が射し、山はピュピュート哭く。さながら 地獄絵を見ているかのようだった。

【風速20~25mの強風が吹き荒れ狂う尾根】

12時前、避難小屋に到着。】
  避難小屋に着いたときは、風速25メートル前後の強風と吹雪が舞う悪天候になっていた。
 休憩小屋には8人ほど
いて皆さん食事をしていた。
 体が冷え貧乏振るいをしているという大阪から来た70才台のご老人と話す。
 8時、「たかすみ温泉」から登ってきたとのこと。
 今の気温は、マイナス10度くらい。昼食を30分位で切り上げないと寒くていられないと話していた。
 食事の準備にとりかかる。
 ガスは気化しないだろうと思いながらも点火したら見事に燃えた。
 小屋内は、酸素が乾いているのだろう。お蔭で温かいラーメンを食べることができた。
 ご老人グループが去り、入れ替わりに5人さんが入室してきた。
 食事を済ませたら、急に空が明るくなってきたので暫く様子を見ることにした。

避難小屋で嵐が過ぎ去るのを90分ほど待つ。】
 雲の流れは早いが嵐はやや納まってきたようだ。
 
 13時30分。上空に一部青空が見えた。
 急いで撮影開始する。
 依然として雲の動きが早いので5分もすると怪しい雲が現れ雪が舞う妙な天候である。
 手足がしびれるように冷たい。シャッターもシビレているのか思うように切れない。

【パノラマで撮る。山頂から見た台高の山々】

【山頂から三峰山への縦走路を撮る】

【山頂から室生の山々】

樹氷】

樹氷

【海老の尻尾】

海老の尻尾


高見山に吹く風は尋常ではなかった樹氷は吹っ飛ばされ哀れかなぁ
昨年と同様、今年の初登りも高見山へ登ることにした。
 自宅を午前7時出発。大峠へ8時45分着。大雪情報が、昨年末からあちらこちらで聞かれたので高見も凄い雪かと恐れをなしていたのだが、予想に反し意外と少ない例年並だ。
 4日の天気予報では明日から大雪になるとかのこと。高見山は、これからが本番のようだ。
 高見トンネルを抜け県道に入る。ここ暫く雪は降っていないようだ。県道には20cm位の積雪であろうか
 四駆のレガシイ車は、スタットレスタイヤを履いているので、大峠まで行けそうなのだが、車のメカに弱い同乗者の意見をも尊重し、チェンを巻いていくことにした。
 タイヤチエンを取り付けるのは一年振りである。いつもながらこの取り付けにはイライラさせられる。(昨年オートバックスで買ったお薦めの商品を)前夜、練習をしてきたお陰ですんなりと取り付けられた。こいつはコツがあるんだなぁ。忘れまいと今は思っているのだが、これが1年経つとダメなんだ。
  
 県道を上っていくと、カメラの三脚を担いだ30代の男性が一人歩いている。乗って行きませんかと声をかけると、お願いしますとのことで同乗することになった。
 彼は、「写真を撮りに高見山へ大阪から一人で来たが、杉谷まで来たら(ノーマルタイヤなので)車がスリッブしたので、国道脇に車を停め1時間ほど歩いて来た」との話し。
 帰路も(偶然に)一緒になったので、国道まで乗せてあげたのだが、家へ帰ったら忘れ物があった。
 雪山用の新品の手袋である。裏側に田中というネームが記されていたが、名前等詳しいことは聞かなかったので、お返しすることもできないので困っています。
 カメラが趣味の「大阪の田中さん」30代男性です。どなたか心当たりのある方、またはカメラ仲間の人で知っている方は、メールで連絡して下さい。 トンネルを抜けた駐車場には、5台ほど車が停まっていた。以前、大雪で高見トンネルから大峠まで歩いた事があるが1時間20分かかった。駐車場から歩いても1時間位はかかりそうだ。
 上から来た軽自動車と対向することになった。輪ダチを外れ左に寄る。軽自動車も輪ダチから道路脇に寄り停まる。レガシィ車が先に動いて対向する。後ろを振り返ると軽四は、道路脇から脱出するのに前進・バックを繰り返しているではないか。スリップしながらも何とか脱出できたが、急坂なのでハラハラして見ていられなかった。無事国道まで降りたのだろうか。スズキジムニー程度なら安心だがこの雪道を軽四で走るのは、無理のような気がする。大峠へ来たら軽四が2台停まっていたのには驚いた。
 大峠から高見山は雲の中で見えない。気温はマイナス2度。風が強くて体感気温はかなり低い。薄手ながら温かく乾きが良い最近の衣類は動きやすい。上下の防寒具で武装する。アイゼンは、靴全体のバランスが良い8本爪を常用している。
 登山口の鳥居を抜け登山路に入る。道はしっかり踏み固められ歩きやすい。時折、強い風で周囲が開ける。樹氷は、風で吹っ飛ばされ付きが悪い。休憩場に付き山頂を眺めるとその感を強くする。前を見ると鉛色の雲の動きが激しい。あっという間に迷岳や池小屋、薊岳など台高の山が飛ぶスクリーンでも見ているようだ。高度を上げるが、以前として道は適当なクツションがありを歩いて楽しい。疲れを知らぬ雪道だ。汗は掻いているが、風が冷たくてオーバジャケットを手放すことはできない。
 一番気をつけなければならないのは、水分補給である。喉が乾かないといって水を呑まないと脱水状態になり体力を奪われるので、相棒に何度も水を呑むよう催促する 山頂に来ると台風並みに発達した強風が吹きまくる。小屋の中に20人くらいの人が昼食をしていたが、小屋の外へ出るのがしんどい。尋常ではない風だ。ブリザードである。目が開けていられないほどの強風で尾根歩きは危険なので、帰路は予定を変更し南面を歩くことにした。
 なお、後日田中さんから連絡がありました。

山頂への道