【山記録】
日時・天候  2017年08月22日(火)・/23日(水)/共に晴 
山名 扇形山(1053.0m)・大天井ケ岳(1439.0m)・四寸岩山(1235.9m)
山域 大峰
コース・タイム 22日→黒滝村役場(06:30)~県道48号扇形山看板((06:50)集落墓地(07:05)谷川を渡る(08:15-20)~尾根稜線に出る(08:45)~扇形山(09:40-50)~小南峠(11:05-20)~高山(12:00-15)~P1147(13:00-05)~小天井ケ岳(13:30-40)~大天井ケ岳(14:55-15:20)~二蔵宿小屋(16:20)
総タイム9時間50分(休憩・道間違いのロスタイム含む)
23日→二蔵宿小屋(07:30)~足摺宿(08:30-45)~四寸岩山(09:00-25)~薊岳(09:30)~道を間違いバック30分ロス~分岐(10:40)~新茶屋跡(10:55)~ヤブ漕ぎ林道出会(11:20)~黒滝道下山口(12:00)~黒滝水道施設(12:30)~黒滝役場(13:25)
総タイム5時間55分(休憩・道間違いのロスタイム含む)
距離/ 高低差 沿面距離29.2km /累積高低差+2272m-2224m
団体名/人数  単独  大天井ケ岳三角点

【軌跡・山旅40000図】

【カシミール標高グラフ図】

【足跡】
<前書き>
 8月中に百名山の「火打山・妙高山」登山を計画していたが、二日と晴天が続かないので様子見である。
 隣県の大峰奥駆に再挑戦することにした。
 「黒滝~扇形山~大天井ケ岳~四寸岩山~黒滝」の周回コース。
 歩行距離29km(GPS計測)と長いので大峰宿坊の中でも名小屋と名高い二蔵宿小屋へ泊まることにした。
 何十年振りにテント泊並みの荷物を持って行かなければならない。
 一番、頭をなやましたのは水量である。
 単独なので多めに持っていかないという気持ちと軟弱な自分の体力との格闘である。
 宿の近くに水かあるので3.5ℓと決めた。
 扇形山・川の谷で何度か給水できたが、尾根に出たら二蔵宿小屋まで給水地はない。
 小南峠から大天井ケ岳までは登りの連続である。真夏の太陽が照り体内気温は40℃程度。
 ポカリ・inエネルギ・バイタリーを飲んでで補給するが、体内は常に水を要求する。
 大天井ケ岳に来たら残り1ℓになっていた。計画としては、大正解であった。
 二蔵宿小屋の給水地で2ℓ追加し夕食作りに利用した。
 
<二蔵宿小屋>
 大天井ケ岳で地図読みに失敗したのでタイムをロスをした。
 宿泊地には、予定より多少遅れ16時20分二蔵宿小屋着。
 小屋の中には誰もいない。明日の朝まで我1人貸切りであった。
 先ず、水の補給に行く。10分ほどで水場に到着。
 岩に筒が差し込まれた先から水が流れ落ちている。小さな口の水筒でも容易に取水ができる。
 2ℓ補給し小屋に戻る。
 小屋内は、整理整頓されカビの匂いもしない快適だ。
 リュックを下ろし体を冷やす。
 体力を使い果たしのか、20分経っても汗かじわじわと湧き出してくる。乾いたタオルで何度も体を拭くが止まらない。
 長い山歴でもこんな状態になったのは初めてのこと。
 夕食の準備にとりかかる。
 ボンベイで湯を沸かし温かいコーヒを飲むと汗はピタリと止まった。
 胃腸を温めると体内が良好となったようだ。
 主食は、尾西の赤飯をあためる。副食は、缶詰・煮豆・ラーメン・キュウリ・ミニトマトなどである。
 夕食を済ませると、寝床の準備である。
 リュックからマット・寝袋・着替え用衣類を取り出す。奥の物入れを見ると寝具類が整理され置かれている。
 寝袋より毛布の方が断然快適だ。借用することにしたが湿っぽいものが多い。
 乾いた毛布を何とか探して借用した。竹で編んだ枕も借りた。
 寝つきは早かったが、何度も目をさます。今日の出来事が思い浮かんでなかなか寝付かれない。
 山行の常備薬である睡眠薬を忘れてきたのでどうにもならない。
 朝方になってやっと眠れた。
 8時半に寝て5時起床。外は、ガスで暗いので7時過ぎ行動を開始した。 

<後半は、情報不足で手こずる>
 大峯奥駆道(扇山)から離れる。
 「扇山~柏原山~黒滝村」ルートは、現状では山を知っている人しか歩けない。
 計画時点において上のコースをネットで調べたが、参考になるような情報を探せなかった。
 結局、昭文社発行の「2017年版山と高原地図」を頼りに歩いた。
 だが、この地図は余りにも古い。それにボイントとなる場所に標記がないので判断ができない。
 「2017年版」としては、余りにもお粗末で信用できない。
 早急に実態調査し現状にあった地図に書き換えるよう昭文社にお願いしたい。
 
 現状は、従来あったと思われる山道がズタズタに切りくずされ新しく林道が出来ていた。
 林道は、広くて舗装もされているのでトラックでも走れる。
 尾根筋にしては距離も長い。その間、別れ道がいくつか出て来る。吉野へ行くのか。黒滝へ降りて行くのか。
 何処にも情報がない。まるで迷い道を歩いているかのようだ。
 今日歩いたコースの途中、「柏原山」という標識を一つ見つけた。
 これは、昔の登山道の名残りか。

【前日、黒滝村役場へ駐車】
  前日(8月21 日)、20時過ぎ黒滝村役場到着。時間外で多くの職員が仕事をしていた。窓口の男性に「明日山へ登りたいので2日間車を留めさせて欲しい」とお願する。
 指定の位置(邪魔にならない場所)に車を留める。
 今晩は、ここで眠ることになった。
 また、ルート等を書き込んだ地理院の地図を見せ情報をとるが、得るものは少なかった。

【起点は、黒滝老人憩の家】
 山と高原地図では、「老人憩の家」が起点でとなっている。扇形山まで2時間とあり。

上左、
老人憩の家(旧黒滝役場跡)黒滝役場から10分程度。

上右、
河分神社。

左、
ここは、三叉路で中央に川戸バス停あり。
 バス停前から、県道48号線(洞川下市線)に入る。

【扇形山の標識】
 「老人憩の家」から5分余で扇形山と書かれた標識あり。
 坂を上っていくと小集落と墓地あり。
 家庭用の給水場もあり。 冷たくい美味しい水なので持参していた水を全部入れ替える。

【登山道を外れる】

墓地の上部に扇形山の標識あり。この先で間違う。

上の画像、間違ったと思われるポイント地点。
推測だが、正規のルートは直進。
右の方向に最奥地の民家があり。そちらの方向へ引きずり込まれた。最奥地の来ると道が消えた。民家の裏に廻って道を探すがそれらしき踏み跡なし。ここで。初めて地図とGPSで現在地を確認する。登山道とは随分ズレていることが分かる。ここから南に向かって正規の登山道を目指す。ヤブを掻き分け突き進む。15分ほどロス。

【最奥地民家と本道に戻る】

左、最奥の民家。人は住んでいないようだ。
右、本道に戻ると近くに何故か廃車バイクあり。

【川を渡る】
 標識に従い谷川を渡る。
ここは、扇形山最後の給水ポイント。
 なお、川を渡らずに直進道がある。
 この山道は、恐らく「山と高原地図」にある谷道ではないかと推測する。

【尾根に出ると高山とP1147峰の展望が開ける 】

【扇形山】
 山頂は、樹林に囲まれていはいるが明るくて雰囲気の良い小広場。
 休憩には敵地だ。
 周辺には、山名札が多くぶら下がっている。
 新味は、KobeTrail弘法大師の道と書かれた名札。 KobeTraiのスタートは、吉野町。ゴールは、高野町。
距離は、55.7km。
最大の難関は、最高峰の大天井ケ岳超えとか。 

【鉄塔下からの眺め良し】
 扇形山から100mほど下った地点に鉄塔が建っている。
 鉄塔下には、送電線の巡視路を整備する若い作業員2名が休憩していた。
 鉄塔は前が開けて大峯の山々(吉野の山から山上ケ岳方面)が見える絶景地。
 

【弘法大師の道】

 登山道(扇形山~大天井ケ岳)には、上の標識がポイントにあり。また、「Kobetorail」と書かれた白い長いテープが次から次へと出て来るので道に迷うことはことはない。

【P1024~小南峠中間にある2番目の鉄塔】
 2番目の鉄塔に来ると北面が開ている
 地図上で送電線を辿ると中央が相原山。奥が青根ケ峰。
 遠景に見える山並みは、金剛山辺りに見えるが、?


【松葉山と書かれた標識あり、これは大発見だった】

 弘法大師の道と書かれた標識の横に小さく書かれた松葉山の名前を見つけた。この山名は何処かで聞いた。足を止め地図を確認すると、洞川の西南で1043.9m三角点のある山だ。先月、(山上ケ岳へ登山した前日)洞川温泉へ泊まった。その際、宿の主人から松葉山は展望の良い山で尾根歩きが楽しいと聞いたことを想い出した。

【小南峠】
左、
小南峠。
右の道を降りていくと県道48号線(洞川下市線)の隧道に出る。

大天井ケ岳へは、正面の尾根を登っていく。

【旧小南峠】
上、
KobeTkrail「弘法大師の道」の標識。

左、
旧小南峠。
峠には、傍らに祠があるのみ。標識などなにもないので見過ごしやすい。

【高山】

左、高山山頂。樹林の中に三角点あり。
右、山頂にある標識。

【P1147】
 平凡なピークで何もない

【小天井ケ岳】
 山頂は、比較的広い大地。標識がないと分かりにくい。

【千本谷源流】
 地図上では、これを降りて行くと洞川スキー場へと行けるのだが。

【標高1270m付近から大峰奥駆の展望ー左の高い山が四寸岩山】

【大天井山頂手前は、荒れた道で急登】
 ここがコース中一番きつい坂です。
 山頂手前に来たら荷揚げ用のモノレールが出てきた。

【大天井ケ岳】
 山頂でコンパスをあて地図を見たらこれから進む方向と来た道とがダブッテいた。
 来た道に戻り探索をしたが道はない。 再び山頂に戻る。今度は、コンパスをあてずに地図を見る。
 来た道とこれから進む道とを合致させその方向へと進む。
 山頂から50mほど降りたところに奥駆道の標識があった。
20分タイロスム。
【山頂直下に奥駆道標識あり】
 大峯奥駆道標識のところでコンパスをあて地図を見たら方向が合致した。
 錯覚しやすいので初めて来る人は、要注意です。
 後から考えると山頂には分岐の標識はなくテープのみあった。
 大天井ケ岳付近の詳細図。
 ネットで「ブチ遭難録」(2012.11.24)を拝見すると、
 大天井ケ岳から小南峠へ下る予定だったが、大天井ケ岳で尾根を一つ間違い西南方向へと進む。途中気が付き、谷をトラバースして本道へ戻ろうとしたが、思うように本尾根へ戻ることができずヘッドを点け長時間歩いて悪戦苦闘したとある。反省点としては、元来た道を戻り本道を歩いた方が良かったとのこと。

【小天井茶屋跡】

祠と荷揚げ用のケーブルの線路があり。

【二蔵宿小屋】
16時過ぎ二蔵宿小屋に到着
 今日の泊りは我のみである。小屋の中に入るとカビ臭の匂いはしない。とてもきれいだ。これだけ立派な施設を無料で使わせて貰うとは本当に有りがたい
 山上ケ岳で参詣した時は、100円玉1個だったが次は感謝を込め千円は払わないといけないといけない。
 気温は20度。カレンダーは7月のままであった。毎日、登山者や巡礼者は来ているだろうが泊まっていく人は少ないのか
左、
手前、二蔵宿小屋から水場へ行く道。
ここは、三叉路となっている。

【水場】

二蔵宿小屋から10分。高低差の少ない山道。

【8月23日の二蔵宿小屋】

夜中は、一時強い雨。早朝は、濃いガス。
晴れるのを待って7時半小屋を出発する。

【百丁茶屋跡】

百丁茶屋跡に来たら吉野大峯林道に出た。
左、
吉野大峯林道絵図。
 後半は、予想もしなかった林道を歩くことになる。  この絵図を見たときは、まさか林道を歩くとは考えもしなかったので、ぼんやりと眺めていた。
 実は、この絵図をしっかり頭に入れておくとかなり参考になったのだがーー
 

【足摺宿】
 吉野の方から単独の男性と会う。
 奥駆道で出会った人は、この人のみ。
 全コースでは、3人。

【四寸岩山】
左、
四寸岩山山頂。
小広場で明るいが雰囲気は余り良くない。
 北西側の草地から大展望が開ける

下、
黒滝村から扇形山が見えて.ますが、山座同定に自信がないので各自で判断してください。

【薊岳から分岐】
上、
薊岳山頂。

左、
奥駆道と柏原山分岐。

奥駆道は、薊岳直下を巻いて行くので薊岳は通りません。

奥駆道と柏原山分岐には、テープや標識がないので通り過ぎてしまった。
ここは、意識して通らないと間違いやすい。踏み跡も薄くなりヤブッポいです。

【新茶屋跡】

新屋敷は、横に広い大地。
左、吉野道。
右、林道に出て四寸岩山へ

【ゲキヤブ】
左、
山と高原地図にある破線の尾根道。
 林道へ出るまでは僅かな距離でした。 情報なしで来ているので何処までこのゲキヤブが続くのかとても不安になりました。
 このヤブを避けるには、新茶屋跡で四寸岩山への山道をとる。途中、林道へ通じる分岐あり。この林道を迂回すると尾根先端の合流点に出られることが分かった。
 

【林道合流点】
 ヤブ尾根を突破するとこの尾根先端ら出てきました。入口に古い標識があった。
 林道が出来てからは、山道がズタズタにされたようです。
 林道も幾つか分かれ道がありルートが全く読めません。


 

【林道が二又に分かれている】
 この二又道は、それぞれ何処へ行くのだろう。これが分かれば、ある程度判断ができるのだがーー
2107年版山と高原地図を見ると破線一本あるのみで林道やら登山道の区別もできない。
 最新版の国土地理院地図は、柏原山を過ぎると林道も登山道も消えているので全く分からない。頼りはGPSである。買ったばかりのGPSを見て真っ直ぐ進むことに決めた
左、
2017年版
山と高原地図。
「薊岳から黒滝」までの登山地図。
 登山口は、水道施設のある場所(下記)に見える。

【黒滝への道はここだ】

 林道の奥に来ると心細い道に変わる。現在地を地図とGPSで確認しながら降りる道を探索する。左の地に来るとテープが巻かれていた。もし、暗くなればこの道を発見することは困難だろう。

【黒滝登山口】
 黒滝村水道施設に下山する。
 入口にテープが巻かれている。
 林道から水道施設まで40分ほどかかった。
 踏み跡はあるが標識やテープはない
鬱蒼とした暗い道なので経験者でないと不安になるかも。
 水道施設から黒滝村役場まで1時間ほどかかる。
 地元の人に尋ねるときは、黒滝水道施設と聞けば分かるだろう。