風の盆恋歌    作詞:なかにし礼、作曲:三木たかし、唄:石川さゆり
1 
蚊帳(かや)の中から花を見る
咲いてはかない酔芙容(すいふよう)
若い日の美しい
私を抱いて欲しかった
しのび逢う恋 風の盆
 2 
私あなたの腕の中
跳ねてはじけて鮎になる
この命欲しいならいつでも
死んでみせますわ
夜に泣いてる三味(しゃみ)の音
 3 
生きて添えない二人なら
旅に出ましょう 幻の
遅すぎた恋だから
命をかけてくつがえす
おわら恋歌 道連れに

 富山県のひなびた町・八尾(やつお)の伝統行事「おわら風の盆」
 「おわら風の盆」は毎年9月1日から3日間、越中おわら節の哀調を帯びた旋律に合わせて、坂の多い町中を町衆が無言のまま踊り続けるという独特の祭りです。
 郷土史書『越中婦負郡志
(えっちゅうねいぐんし)』によると、町外に流出していた殿様のお墨付文書を町衆が取り戻したことを喜び、3日3晩踊り明かしたできことに由来するそうです。
 その後、二百十日の風害をやわらげる行事となり、今日まで続いています。
 

 高橋治の小説『風の盆恋歌』
 若い頃、たがいに心を通わせながら結ばれることなく別れた男女が、20数年を経て再会し、愛をはぐくむという物語。それぞれに家庭をもつ2人は、毎年「風の盆」の3日間だけ、密かに八尾で過ごします。
 不倫には違いありませんが、それだけでは片づけられない哀切な恋愛小説。

 八尾やつお)の写真は、2014.8.29奈良県の山ちゃんが現地で撮影したものを拝借しました