【丸山岳道】
<丸山道>
 河内や加茂(現鳥羽市)から朝熊山へ登る道は、江戸時代から金剛証寺へ行く道としてニ箇所あった。
 一つは「嶽道」で河内道とも言う。
 登山口は、奥河内で二万五千分の地図にも出ているが、今は荒れ果て通る人もいない。
 二つ目は「朝熊道」で丸山道とも呼ばれている。

<交通手段>
 近鉄朝熊駅を起点に周回するのが効率的。
 車なら、朝熊22町登山口「であいの広場」へ駐車させ朝熊駅から電車に乗車する。
  船津駅か加茂駅で下車する。
 下車駅から朝熊であいの広場まで12キロ位あるので10時までには下車口を出発したい。

<丸山庫蔵寺>
 今から450年前弘法太師が建立した古刹の丸山庫蔵寺で平成5年に大改修をした山寺。
 天然記念物のコツブガヤ境内にある。
 山門を潜ると、正面に本堂が建っている。
 小じんまりとした建物は、平成6年に大改修されたので、漆し塗装の外観が美しい。
 正式の呼び名は丸興山(がんこうざん)庫蔵寺と言う。
 金剛証寺の奥の院と伝えられ、本堂と鎮守堂は国指定の重要文化財となっている

【国土地理院軌跡図】

【朝熊駅からの標準タイム】
 近鉄朝熊駅(07:48)〜近鉄船津駅(08:10)〜登山口(08:50)〜庫蔵寺(09:30)〜鳥羽霊園分岐(10:15)〜中間地点(10:40)〜スカイライン出会い(12:10)〜金剛訟寺昼食(12:20-13:20)〜近鉄朝熊駅(14:48)

【近鉄船津駅は、無人駅】
左、近鉄朝熊駅時刻表
右、近鉄船津駅。

近鉄朝熊駅7時47分発(宇治山田駅7時41分発)賢島行きに乗車する。二両編成のワンマンカーである。朝熊駅も船津駅も無人駅なので(電車の中で料金表を見て)自分で切符を買い、降車駅で切符を投函することになる。

【船津駅から河内神社まで歴史の道を行く】
 丸山道の出発地は、杉ケ瀬(すいがせ)である。、
 近畿自然歩道は、加茂駅から金剛証寺(8.5キロ)である。ほぼ、丸山道と重なる。
 杉ケ瀬(すいがせ)道は、船津駅(鳥羽駅から4番目の)で降りた方が便利である。
 船津駅から、国道167号線沿いに歩き15分ほどで杉ケ瀬(すいがせ)バス停に到着。

 ここに古い道標の石碑が建っている。
 「右、満るやま道宝暦8年(1758年)建立」と書いてあるのがどうにか読める。
 この杉ケ瀬石碑が、丸山道出発地の証である。
 ここから10分程で、加茂駅から整備されている近畿自然歩道と合流する。
 合流地には、
 近畿自然歩道(丁字形)の標識と、町が整備した標識もあり。ベンチも置かれている。
 丁字形には、「近鉄加茂駅まで1.1キロ、丸山庫蔵寺まで2.4キロ、金剛証寺まで7.4キロ」と書かれている。この先は、近畿自然歩道と重なる。

 800mほど行った川辺にレンガ造りの庚申堂(道中の安全を守る庚申像が守られている)、200m先右側に曹洞宗慶蔵院という寺がある。
 入口が狭いので見過ごしてしまいそうだが、金剛証寺の開山忘の前日に近隣の住職が集まり塔婆供養の応援に向かうためここに集まった寺だそうです。
 更に300m先に河内神社の鳥居が見える。
 以前、この場所に小屋御堂(こやみどう)と呼ばれる御堂があったのだが、明治43年に加茂神社に合祀された。お堂は、山上の遥拝所と云われている。
 河内神社から朝熊ケ岳に行くには、二つの道があった。
 右が朝熊道(嶽道)。直進が丸山道と云われた。   

【杉ケ瀬(すいが)にある古い標石】
上、
船津駅から国道166
号を歩いて杉ケ瀬(すいがせ)に来る。

下、
杉ケ瀬入口にある道標。「右満るやま道宝暦8年(1758年)建立」と書いてある。

【近畿自然歩道との合流点】

加茂駅から整備されている近畿自然歩道と合流する。ここに丁字形の標識がある。
 標識には、距離が表示されている。
 丸山庫蔵寺まで2.4キロ。
 金剛証寺まで7.4キロ。

【加茂神社で岳道が二つあり】
 加茂神社のところに小屋御堂(こやみどう)と呼ばれる御堂があった。現在は、隣に移している。
 お堂は、山上の遥拝所と云われている。
 朝熊山へは、二つの道があった。
 下左、加茂神社。下右、お堂。

【丸山道口】
上、
 道路沿いに「彦滝神社」「丸山庫蔵寺」の標識あり。

左、
奥へ進むと河内岳道へ

【彦滝大明神】
 小川の水音が大きくなると、彦滝大明神に着く。
 婦人病に御利益があるとして地元の信仰を集めている滝の下に架かる大しめ縄、滝が御神体と聞く。

 鳥居の横に 弘下4年(1847)銘の常夜灯が立つ。

【カヤノキ・イスノキの森】
彦滝大明神から500メートルほど行った辺りで小川を渡ると右手前方に虹起岩、道を挟んで左手に雲根岩と呼ばれる白灰色の大岩がある。
 この辺り一帯は、三重県指定の天然記念物イスノキ樹糞でカヤノキ・イスノキなどの古木が鬱蒼と茂っており聖域にふさわしい雰囲気となっている。
 

【庫蔵寺】
 天長2年(825)弘法大師が金剛証寺奥の院として建立した。 本堂と鎮守堂は国指定の重要文化財。
 境内を右折れすると狭いながらも車が通れる山道が通じている。但し、一般車は、進入禁止 境内から500メートルほど進むと、鳥羽レストパークに至る。
別院。
上の画像本堂の上に見える。

 この奥に丸山三角点(288.3m)がある。30分程度で往復できる。但し、ヤブなので地図とコンパス必携のこと。

【イスノキ(左)とコツブガヤ(右)】
 庫蔵寺の小粒榧
 国指定天然記念物コツブガヤ
 コツブガヤは、種子が仮種皮を含めて、その直径が18〜20mmと通常のカヤに比べて小さいという特徴をもつ変種で、従来は宮城県の小原のコツブガヤ(国指定)が知られるのみであった。(鳥羽市資料iによる)
境内にはイスノキとコツブガヤがあり、この古刹寺がより一層森厳な風情を呈している
 この樹は、推定樹齢400年、樹高25m、目通り幹周4.15m
 以前は、カヤノキの巨樹としていたが、平成3年の調査でコツブガヤと判明。平成5年国指定の天然記念物となった

【樹林の隙間から鳥羽の安楽島辺りか】

【鳥羽レストパーク付近】
上、
 「金剛証寺まで5.6キロ」と書かれた近畿自然歩道の案内板に従って左折れする。

左、
鳥羽レストパーク。
 山を切り開いたので、昔の岳道は消えた。
 新ルートは、レストパークの一番高いところをが登山道となった。

【金剛証寺への道】
レストパークから金剛訟寺までの道。 前半は、(中間地点2.5キロ)、緩いアッブダウンをしながらやや下る。後半は、タイルの階段もある上りで賽の河原付近からスカイライン合流地まで約800mは少々きつい上りがある
 金剛証寺まで5.6キロと長場なので予め時間設定をして歩きたい。

【金剛訟寺】
 金剛訟寺仁王門。
 堂々とした山門は、風格がある。

磯部岳道